9.07.2010
パパはポルノスター 「セルビアン・フィルム」
9月に入って早1週間、 戻ってまいりました。 超エグな作品を引っさげて。 もちろん自分が作ったわけではないですが、 というか、 こんなものは作りたくない^ ^ しかし見たい。 映画はいつも "こわいもの見たさ" なのだから。
すでに一部では話題になっているセルビア製の殺戮系ホラー、 あるいはポルノ。 意外に物語性もあって、 想像したより はるかに良くできている。 東欧の得体の知れなさは 「ホステル」 的でもあり、 60年代70年代的 生臭さもありながら、 一方で微妙にデビッド・リンチ的な雰囲気もある不思議な作品だ。
かつて その世界で名を馳せたポルノ男優ミロス、 今は良き夫であり良き父だった。 だが問題が一つ。 貯金が底を突きかけていた^ ^ そこへ降ってわいた高額の出演依頼。 そっちの道は引退したはずだったが破格のギャラに臨時復帰を決意する。
ブクミールと呼ばれる監督は "生きた人間を捉え、 ポルノを芸術に高めたい" と語る野心家だったが、 撮影が始まってもシナリオは一切 知らされない。 それも演出の一環だと話す監督。 しかしミロスは居心地が悪かった。 どうやら、 ただのポルノではなさそうなのだ。
孤児院での撮影、 母親と少女、 戦死した父親・・ おぼろげにストーリーは見えてきたが、 核心はつかめない。 そう、 それはクライマックスに本物の殺人が用意されたスナッフムービーだった。
そう言えば 「ギニーピッグ」 という作品があったな。 こういう作品はつねに本物かヤラセかという話になるが、 ミロスの出演作は紛れもなく本物。 家族のために変態の犠牲になるという物語は、 無視されたジョニー・デップ初監督作品 「ブレイブ」 を思い出す。 そう、 父さんはいつも切ないのだ^ ^
作品中の監督は、 セルビア自体が親に捨てられた孤児であり、 それでも生きようと、 こうして経済基盤を固めているのだと語る。 ミロス父さんは、 はたして家族を守ることができるのだろうか。 エグいシーンにも、 エロいシーンにも、 一抹の切なさが漂う。 変態というよりはヘンな作品。 夏休みが終わって家族サービスから解放されたお父さんにお薦めできそうな、 決してできないようなヘンな1本。 秋の夜長にいかがですか・・ って日本公開もDVDも予定なし、 か^ ^
(追記2012.1/3) 1月末に公開されるそうで。こいつは春から縁起が・・? ^ ^
セルビアン・フィルム A Serbian Film (2010セルビア) 日本公開2012.1/21
監督 スルジャン・スパソイエビッチ
スルジャン・トドロヴィッチ セルゲイ・トリフノヴィッチ
エレナ・ガブリロヴィッチ カトリーナ・ズティッチ
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タグ:
DVD,
ホラー&スプラッター
2 コメント:
こんばんは。
おおおお、本場のホステル、スナッフですか!しかもセルビア。夢のようです。
やっぱし、こういうジャンルはヨーロッパが作ってこそ本領発揮ってやつですね^^。
セルビアの作品も珍しいと思うのですが、他にも色々出してるんでしょうか。
トレーラー観ましたが、ダークでクリアな印象を受けました。しかも際どい^^!写真にもありますが、四つん這いで迫られるとこ気になってます。アングルが(笑)。役者の名前もビンビンきますね、セルゲイ・トリフノヴィッチとか。まさにセルビア!
歴史あるヨーロッパ発のエロスに血みどろシーンは大変気になります!
際どくガツンと応援いきますー♪
>umetraman さん
コメント、際どい応援^ ^ありがとうございます!!
いやほんとに、あのあたりの人名は、なかなか来ますね。 ・・ビッチとかスルジャン? 読み方がわかりにくいんですが、調べていても楽しくなります^ ^
自分も詳しいわけではないんですが、あの地域はむずかしいですね。 映画でも主人公はセルビア人ではないと思うんですね。 説明はされてないんですが、セルビア以外の周辺国だと思います。 戦死した父というのもどの戦争かははっきりわかりませんが、内戦や独立がらみの戦争なのでしょう。 いまだにさまざまな確執があるのだと思います。 民族的なキャラが描き分けられてるのかもしれませんし、詳しい人が見たらもっと面白いのかもしれません。
そういう事情のなかセルビア共和国自体1990年に誕生し、20年ほどで映画が作られるほど情勢は落ち着いたということでしょう。 手法は最近のものですし、キャストや言語以外はそれほど違和感がなく、監督はたぶんグローバルに映画を摂取している人だと思います。 これからセルビア国籍あるいは資本の映画がもっと出てくる可能性はありますね。
とかなんとか言っても、 その手の映画であることに変わりはありません^ ^ホラー映画は平和の象徴かもしれません。
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