8.02.2010

学園版ホステル The Final



8月に入っての1本目は、 やはりホラー^ ^ といっても海外版DVDジャケットが誤解させるようなゴーストものではなく、 学園版 「ホステル」 といった内容。 あちこちのホラー作品の寄せ集めのようでもありながら、 なぜか好感の持てる雰囲気があり、 どこかで見たようなエピソードの固まりながら意外とキッチリ作られていて、 そこそこ楽しめた。

'何とかファイナル' というのが膨大にあるので、 非常に検索しずらいタイトルなのが玉に傷だが、 ときどき見かける AFTER DARK HORRORFEST シリーズ第4弾の1本でもあった。 新作ホラーを物色するなか、 あれもこれも多少そそりはするものの ワンポイント的かつマンネリで触手が伸びず、 唯一 統合的かつ意外性が期待できそうだった作品がこれ。 学園ものということで、 はるかに遠ざかった世界だったから逆によかったのか、 恐さは ほどほどだが、 概ね期待した通りだった。

アメリカの学園ものによくある構図、 セレブ気取りのチアリーダー3人組が闊歩し、 アメフトのハンサム・マッチョが幅をきかす。 外見的、 性格的、 人種的にこのメインストリームに合わないものは当然のごとくイジメられ、 隅っこに追いやられる。

そんななか仮装パーティが開催される。 メインストリームもこの手のものは好きらしく、 ドリームポリスやヘラクレスになって いそいそとやってくるが、 パーティは阻害された者たちによる復讐の舞台だった。 用意された銃、 マシンガン、 屠殺銃、 特殊な薬品、 斧、 刃物・・ 傷モノにされて生きる方が 殺されるより苦痛という、 中国は漢の時代の戒めに即して、 イジメっ子たちは次々と再起不能の身体にされていく。

これをカメラに収め、 インターネットにアップして伝説になることを画策したイジメられっ子たちは、 このイベントを The Final と呼び、 最後には自分たちもこの地獄にさよらを告げる覚悟だった。 すべて計画通りに進行したが、 ただ一つ 計算違いがあった。 それは、 ターゲットではない 'いい奴' が、 招待されてないのにパーティ会場に紛れ込んだことであった。

ネット伝説になるとか言うわりにカメラを設置するシーンしかなく、 会場外のバギーに乗ったハンターたちにはスポットが当たらなかったりするが、 まあそのへんはご愛敬。 ツボを押さえた演出には監督の技量がうかがえる。 そしてなぜか この惨劇の会場では、 犯行グループの一人がバンジョーを弾いている^ ^ そのあたりの独特の雰囲気と微妙にオフ・ビートな味わいもポイントと言える。

ちなみにプロデューサーの Ed Hohn は撮影終了直後に他界し、 同じく Bill Randle は公開直後に亡くなっているらしい。 オバケものじゃないんだけどね^ ^




ザ・ファイナル(原題) The Final (2010) 日本公開未定 
監督 ジョーイ・スチュワート 脚本 ジェイソン・カボラッティ 
マーク・ドネイト ジャッシャ・ワシントン エリック・アイゼンハウアー 
リンゼイ・シーゲル トラヴィス・テッドフォード ジャスティン・アーノルド 
ホイットニー・ホイ ローラ・アシュレイ・サミュエルズ ジュリン 

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