4.03.2010

徒歩で・・ 「サイドウェイズ」



これが日本でリメイクされると聞いたときは間違いなくNGだと思った。 オリジナルとそっくりのポスターやいくつかのスチールを見たら不気味にすら思えた。 恐いもの見たさで今 見たわけだが、 意外や意外、 それほどヒドくはなかった^ ^ 監督は見かけない人だがスタッフは大半がハリウッド勢で、 脚本は日本人だがよくアレンジされているし、 セリフも寒くない^ ^ ギャグもすべってない。

オリジナルがどんな話だったのか よく覚えてないが、 これはこれで見れる。 すごく感情移入するというほどでもないし 微妙にトレンディドラマな香りがするが、 ラストまでいい感じだし、 じゅうぶんに1本見た気がする。 これは日本映画の新しい可能性なのだろうか、 あるいはハリウッド映画の新たな日本侵略なのだろうか。 。

しかしよく考えてみれば、 リメイクである必要はほとんどないとも言える。 ワインでなくてもいいし、 すでにロードムービーではない。 クルマは出てくるが、 小日向文世は送ってもらえなかったりトラブルなどで徒歩での移動が多い。 カリフォルニアの道をとぼとぼと歩いてモーテルまで帰るのが印象的。 だがキャッチコピーで強調するほど情けない男たちではない。 現実はそれほどドラマチックではないというだけ。 そこは脚本でもきちんと押さえられてある。

アメリカ人は字幕の付く外国映画を見ない。 これは本編中にも言われることだが、 同様に洋画の苦手な日本人観客も意外と多いのだろうう。 出演者は一部英語も話し字幕も出るが、 なじみ深い日本人出演者であれば客層は広がるのかもしれない。 だからといって本作がアメリカで公開されるのはワイン・フェスティバルやハワイなどに限定されるようで、 あくまで輸入であって輸出ではないようだ。

フジテレビ映画事業局の亀山氏発ということで、 結局こういうところから新しい波は起こるのかもしれないが、 無視できない1本ということはわかった。 これに続くものが出てくるのかはわからないが、 そうなると余計に脚本がポイントになってきそうだ。 本作の上杉隆之がどういう人なのかはよく知らないが、 インターナショナルなセンスを感じるし、 このリメイクを成立させているのは日本人出演者でもハリウッドスタッフでもなく、 実はこの脚本家ではないか。 今後もフォローしてみることにしよう。


サイドウェイズ SIDEWAYS (2009日本) 公式サイト 象のロケット 
監督 チェリン・グラック 脚本 上杉隆之 音楽 ジェイク・シマブクロ 
オリジナル脚本 アレクサンダー・ペイン+ジム・テイラー 
小日向文世 生瀬勝久 菊地凛子 鈴木京香 
こちら、 オリジナル^ ^

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