1.30.2010

クリエイティブな冒険者 「THIS IS IT」



早くDVDになったね。 通常は公開から半年のところ、 3ヶ月。 鮮度の高いうちに出した方が売上げに貢献するとの腹だろうが、 それはそれでけっこう。 マイケルだけの特例にせずに、 どんな作品もこれくらいのタイミングで出そうよ。

作品自体はリハーサル記録の編集でしかないし、 ステージの興奮を求めてもしかたない。 だがマイケルのダンスや歌のレベルの高さをあらためて知ったし、 音楽のブレークから次のタイミングまでの ほとんどすべてのキューを出しているのもマイケルだったなんて驚き。 そこは厳しい舞台監督のようにハッキリと指示を出すが "怒ってるんじゃない 愛だ" なんてスタッフに対してフォローを入れるあたりが可愛い。

"スリラー" や "ビリー・ジーン" などのヒットが何年前になるのかは調べてないが、 それらの曲が中心となる。 ファンが聴きたいを曲をやるのだと語り、 非日常を求めてくる観客にクリエイティブな冒険を届けるのだと言う。 マイケルのような人でもファンのニーズが最優先であり、 というか、 そうだったからこその人気なのだと気づく。 独りよがりで突っ走るようなタイプとは正反対なのだ。

残念ながらマイケル・ジャクソンについてはあまり詳しくなく、 どちらかというとジャネット・ジャクソンのCDを買ったことがあるくらいで。 しかし こうして見せられると、 やはり惜しい人をなくしたのだと思わずにはいられない。 世界中から集められた一流のダンサーやミュージシャンたちはみなマイケルのファンでもあり、 いっしょにステージに立てることを楽しみながらの仕事。 だが本番が始まる前に彼がこの世からいなくなってしまうと誰が想像しただろうか。 人間、 先のことはほんとにわからないものだ。

ステージにはアイディアを凝らした仕掛けが用意され、 3D映像なども使用される。 亡くなったからといって注目するのはどうかと思うが、 チケットが売り切れていたとしても本番を見てみたいと思った。 それはどんなに高値を出しても永遠にかなわぬこととなり "4年で地球を再生するんだ" とのマイケルからのメッセージだけが残される。 エコのアピールとは少し平凡だなと思わなくもないが、 4年という設定はへんに現実味がある。 これを受け継ぐ人は出てくるのだろうか。

マイケル・ジャクソン THIS IS IT (2009) 公式サイト 象のロケット 
監督 ケニー・オルテガ 

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