6.14.2009

安全圏 「ターミネーター4」



最低との前評判だったが、 悪くないじゃないか。 うちの娘などは歳に似合わずシュワフリーク、 "シュワちゃんじゃなきゃ見ない" とまで言っていたので一人静かに字幕で見れたが、 確かにシュワちゃんはCGでしか出て来ないし、 1や2のシンプルな面白さはない。 だが人間対機械の戦いにおいて、 冷徹に勝利することが本当の勝利か、 というようなテーマもマトモだし、 アクションはとにかくド迫力だ。

舞台が初めて未来に移されジョン・コナーが主役になるが、 今回のターミネーターは (ネタバレになるが) これも初めての試みであるサイボーグなのだ。 つまり人間と機械の中間存在を設定することで、 はたして人間性とは何か、 みたいな問いかけが導入されている。 その問い自体は新しくもないし、 以前のターミネーターには不必要なプロットのはず。 こんなふうに変化することで普通のSFになってしまった気もするが、 意志に関係なく役割を持たされてしまった者が、 人間性を取り戻そうとする悲哀はあざとくも今っぽい。

従来型のターミネーターも多数登場するが あまり迫力がなく、 代わってモト・ターミネーターというバイク型のモデルが登場する。 今風になったターミネーターは こうした小技も効かせながら作り続けられるのだろう。 どうせなら全く別のシリーズとして作ればどうかと思うが、 冠がなくなるとリスク査定が大きくなって出資が危ぶまれるのか。 映画がバクチであった時代がふと懐かしくなった。


ターミネーター4 Terminator Salvation (2009) 6/13〜
監督 マックG オフィシャルサイト&トレーラー 
クリスチャン・ベイル サム・ワーシントン ムーン・ブラッドグッド 
アントン・イェルチン ジェイダグレイス *アメリカ・ドイツ・イギリス・イタリア製作

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