
"地震の調律師" ・・ かなりヘンなタイトルだが、 世界をカラクリ装置オートマトンで支配しようとする博士と調律師の戦い、 あるいは恋を描いた物語。 クラシカルで雰囲気たっぷりの実写に、 ところどころ人形アニメが入る。
オペラの歌姫が舞台で死ぬ。 だがすぐに博士によってこの世界に連れ戻される。 ピアノの調律師もまた博士から仕事の依頼を受けるが、 行ってみるとそれはピアノではなく不思議な機械であった。 博士もまた不思議な男だった。 キノコの宿主となり、 その胞子を効率よく飛ばすことに命を捧げてしまうアリの話、 あるいは鳥を美しい声で鳴かせるためには目をえぐり取るのがいいなど、 意味深なエピソードを語り、 自分に不可能はないのだと言う。
遠くを見つめて座る歌姫は、 結婚式前日に捨てられるという心の傷を持っていたが、 調律師をその男だと思ってしまう。 調律師も美しいその女に惹かれ、 不思議な三角関係、 あるいは娼婦を交えての四角関係。 そのなかで調律師は言う。 他人の想像の世界にいる気分だと。 それでも調律は進み、 博士の野望が完成しようとする月食の夜・・
アニメ部分は なんとなくオマケになってしまった気がしなくもないが、 見る人が見れば違うのかな。 アメリカ人でありながら、 ロンドン暮らしが長い自分以上にデカダンなクエイ兄弟のファンだと語るテリー・ギリアムが製作総指揮を務める、 レトロでダークなファンタジー。 眠れない春の曙にいかが?





ピアノチューナー・オブ・アースクエイク (2005イギリス・ドイツ・フランス)
The Piano Tuner of Earthquakes 日本公開2008 公式サイト&予告編
監督 ブラザーズ・クエイ
アミラ・カサール ゴットフリード・ジョン アサンプタ・セルナ セザール・サラシュ
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