4.13.2009

80's ジャパニーズ・ゴア 「死霊の罠」



本日は名作?スプラッターに走る。 日本では知る人ぞ知る作品だが、 海外ではジャパニーズ・ゴアの先駆として名高いようだ。 主演はデビルマンこと小野みゆき、 若い人はまったく知らないのではないかと思うが、 資生堂のキャンペーンガールであり、 元祖 '目ヂカラ' のような人だ。 脚本が石井隆というのは意外と言えば意外だし、 懐かしい人には懐かしいであろうピンク系アイドルも登場する。 昔のホラーは半ばピンクでないと製作が認められなかったのかもしれない。 彼女たちのヘアスタイルやファッションは、 まさに80年代。 懐かしいような、 おぞましいような。 。

そもそもスプラッターという言葉は 「死霊のはらわた」 (日本公開1985) から始まったのではないだろうか。 本作のタイトルも、 一部のカメラワークも影響が窺い知れる。 ステディカムはさすがに用意できなかったのか、 代わりにドリーインしながらのズームアウトなど、 これまた懐かしい手法が見られる。 被写体の大きさは変わらず、 遠近感だけが歪んで移ろいゆく。 そういったことに詳しい知り合いが解説してくれたものだ。

全体的なテイストはむしろ 「サスペリア」 (1977) という気がする。 変拍子のプログレサウンドや鋭角的な殺しは、 10年を経た後もジャパニーズホラーの方向性に影響を与えていたようだ。 他にも 「エイリアン」 (1979) あるいは 廃虚のシーンでキラキラと何かが降ってくるような凝り方は 「ブレードランナー」 (1982) などの影響か。 なんだパクリばっかりじゃないか? まあ確かに懐かしモノのリミックスを見るようでヘンな気分だが、 それでもやはり今のJホラーに比べると、 意気込みというか、 疾走感が違うという気がする。 また 「ソウ」 的な罠は先取りしていたとも言える。 ちなみに死霊やゴースト的なものは一切出て来ない^ ^



死霊の罠 Evil Dead Trap (1988日本)
脚本 石井隆 監督 池田敏春 
小野みゆき 桂木文 小林ひとみ 中川えり子 
死霊の罠 [DVD][DVD]

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