
物語の最後にヴェルヴェット・アンダーグラウンドやニコが出てくるので、 それ以前のエピソードが中心になる。 アンディ・ウォーホールもまだそれほど有名ではない頃、 すでにボブ・ディランはスーパースターであり、 イーディ・セジウィックはそんな天才と時の人の間を揺れ動く。
単に奔放というのでもないし、 深いインテリジェンスと洞察力を備えながらも行動が先走ってしまうような、 可愛い人だなと思う。 二人の男はもちろん、 時代が魅了されたのもじゅうぶんにわかる。 にもかかわらず、 彼女の影の部分が描けてない気もする。 本人をよく知っているわけではないし、 しょせんイコンでしかないのかもしれない。 が、 この映画では主役であるはずの彼女なのに、 印象はどこか薄い。 物語の中で彼女が人々からそうされたように、 自分も映画を見て三日もたたないうちに彼女のことなど忘れてしまいそうな気がする。 イーディはただ、 28年の短い人生を精一杯駆け抜けた。 それだけのことに違いないのだが。
それに比べウォーホールやディランは、 映画の中でもしっかりと印象的だ。 金もなく、 なぜ僕の絵は売れないのだろうと悩むウォーホール。 想像以上にカッコつけたディランの振る舞いなど、 興味深いシーンの連続。 この両者を演じるピアースとクリステンセンの役者ぶりは、 顔立ちはそれほど似てないはずなのに、 スチールを見て当時の写真かと錯覚してしまうほど、 マニアックなものまねとしても楽しめる。 監督は1963年生まれなので、 あの時代の語り部としては若く、 自分などと同様に憧れ半分で描くことは避けられないが、 それも想定内なのか、 60年代の教科書としても一見に値する作品になっていると思う。
とりわけ笑えたシーンをひとつ・・ アンディは資産家であるイーディの両親と食事をする。 メニューに迷っていると彼女の父親が言う。
"君はステーキにしなさい。 顔色が悪い"
・・・


監督 ヒョージ・ヒッケンルーパー
シエナ・ミラー
2 コメント:
こんばんは!^^
ガイ・ピアースがアンディ・ウォーホールをやっているのですか。なんか意外ですね~。
これも未見なのですが「バスキア」ではウォーホールをデビッド・ボウイがやってましたね。と思っていたら予告動画の後半でボウイの曲が!ナイスタイミング(笑)。
ヘイデン・クリステンセンがボブ・ディランというのも意外ですが、マニアックな物まねで見せてくれるのですね。
ウォーホールのことあまり知らないので、こういう作品を観て勉強するしかないかな~。
ガツンッと応援いきますよー♪凸
>umetraman さん
コメント、応援ありがとうございます!!!
バスキアのボウイ、たまたま持ってたので見直してみました。通りをアンディとバスキアが歩きながら・・
"コムデギャルソンからモデルの仕事が来てるけど、君もどう?" なんて話してる。やっぱりボウイがやるとカッコよすぎるかな、ウォーホールのことは間近で見てただろうから仕草や表情はリアルなのかもしれない。ガイ・ピアースの場合はもっとブキミな感じを出してます^ ^
でもあらためて、凄い時代があったんだなと、憧れますね。機会あればぜひご覧になってください☆
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