
公開は終わり、 DVDリリースもまだ先という中途半端なタイミングでのエントリーですまないが、 アメリカは今まさに新しい大統領が誕生しようという時。 そんな伏線もふまえて、 これを思い出したので書いておきたい。 それにしても公開からDVDまでの6ヶ月というのは、 いやらしい長さのブランクだ。
何だかよくわからない邦題がついている。 告発? 何だそれ。 原題 "エラの谷で" は聖書のエピソードから引っぱって来たそうで、 日本人には縁遠いので痛し痒しだが、 それでも '告発' というニュアンスはピンと来ない。 法廷物でも汚職警官物でもないし、 あまりにも何となくなタイトルすぎる。 ありふれたボキャブラリーを用いて、 それらしい語感でまとめてしまってはいけない作品なのだ。 名作ではあるが、 もっと引っかかりのある言葉を選ぶべきなのだ。 例を挙げろ? そうだな、 自分なら "岸壁の母" になぞらえて『渓谷の父』・・ ダメ?
秋元康のヒット講座みたいになってしまったが、 事実、 問題作だ。 自己批判するアメリカ映画というだけでなく、 退役軍人による国旗の逆さま掲揚。 しかもショッキングな演出は何一つ使わず、 あくまで淡々と語られていくから、 向こう側にあるものの恐さがいっそう浮き彫りにされる。 静かに進行する物語ということで唐突に 「エクソシスト
そして退役軍人であり、 帰らぬ息子の父を演じるトミー・リー・ジョーンズが、 もう説明しがたい良さなんだよな。 ちょっとした表情の移ろいにもグッと引き込まれてしまう。 やっぱり邦題は『渓谷の父』がいいな。 。

告発のとき In The Valley of Elah (2007) 日本公開2008
監督 ポール・ハギス
トミー・リー・ジョーンズ
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