11.03.2008

国旗逆掲揚 「告発のとき」



公開は終わり、 DVDリリースもまだ先という中途半端なタイミングでのエントリーですまないが、 アメリカは今まさに新しい大統領が誕生しようという時。 そんな伏線もふまえて、 これを思い出したので書いておきたい。 それにしても公開からDVDまでの6ヶ月というのは、 いやらしい長さのブランクだ。

何だかよくわからない邦題がついている。 告発? 何だそれ。 原題 "エラの谷で" は聖書のエピソードから引っぱって来たそうで、 日本人には縁遠いので痛し痒しだが、 それでも '告発' というニュアンスはピンと来ない。 法廷物でも汚職警官物でもないし、 あまりにも何となくなタイトルすぎる。 ありふれたボキャブラリーを用いて、 それらしい語感でまとめてしまってはいけない作品なのだ。 名作ではあるが、 もっと引っかかりのある言葉を選ぶべきなのだ。 例を挙げろ? そうだな、 自分なら "岸壁の母" になぞらえて『渓谷の父』・・ ダメ?

秋元康のヒット講座みたいになってしまったが、 事実、 問題作だ。 自己批判するアメリカ映画というだけでなく、 退役軍人による国旗の逆さま掲揚。 しかもショッキングな演出は何一つ使わず、 あくまで淡々と語られていくから、 向こう側にあるものの恐さがいっそう浮き彫りにされる。 静かに進行する物語ということで唐突に 「エクソシスト」 を思い出した。 後半の恐いシーンは別にして、 あの映画の前半はすごく淡々としているのだ。 いや待てよ、 演出だけでなく、 どちらも '悪魔憑き' を描いた物語と言えるではないか。 すごい発見^ ^

そして退役軍人であり、 帰らぬ息子の父を演じるトミー・リー・ジョーンズが、 もう説明しがたい良さなんだよな。 ちょっとした表情の移ろいにもグッと引き込まれてしまう。 やっぱり邦題は『渓谷の父』がいいな。 。


告発のとき In The Valley of Elah (2007) 日本公開2008
監督 ポール・ハギス  公式サイト&トレーラー 
トミー・リー・ジョーンズ シャーリーズ・セロン スーザン・サランドン 
告発のとき[DVD]
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