11.02.2008

アホラシー 「クリシーの静かな日々」



allcinema の解説をそのまま引用する。

"若き日のヘンリー・ミラーの生活を描いた、 性と快楽の青春物語。 ヌーヴェル・ヴァーグの旗手C・シャブロルとハリウッドの人気若手スターA・マッカーシーの組み合わせがユニーク"

なぜこんなのを見る気になったのかも忘れたが、 1970年にも映画化されているので、 それと間違ったのかもしれない。 ヘンリー・ミラーにも特に興味はなかったが、 あの時代のパリにスノッブしてみたくなったのかもしれない。 それにしても見事な駄作だった。 アンドリュー・マッカーシーというのは、 とんでもなく大根だな。 ニューヨーク大の演劇科出身ということだが、 舞台くずれなのか、 セリフは棒読みもいいところだし中途半端に大げさなセリフ回しで、 風貌もパリに流れてきたスケベな作家どころか駆け出しの新聞記者ぐらいにしか見えない。 トレードマークのようなくわえタバコもまるでサマになってない。 一体どういう経緯でキャスティングされたんだか。 90年代になっても 'ヌーヴェルヴァーグの' なんて解説が付いてるところを見ると、 「いとこ同士」 くらいのものなんだろうね、 シャブロルという人も。 陳腐なデカダン、 ナチスの影も宣伝映画を挿入して終わり。 どんな駄作でもワンポイントぐらいは楽しめるものだが、 この映画には思わせぶりなパッケージぐらいしかない。 英語の飛び交うパリというのも気分を損ねてるんだろうな。 というか、 これ吹替か? 日本版は英語吹替版なのか。 英語で話してくれ、 というセリフがあるくらいだから、 混在してるか。 いずれにしてもフランスに来て、 英語で話せ、 なんて言えるのは、 今も昔もアメリカ人くらいか。 シャブロルも不得意な英語での演出だったのかもしれないが、 30年代のパリの空気の片鱗も感じられない、 駄作ぶりを笑うくらいしか楽しみ方のない、 トンデモ映画だ。

クリシーの静かな日々 (1990フランス・イタリア・ドイツ) 日本公開1991
Quiet Days in Clichy 原作 ヘンリー・ミラー 
監督 クロード・シャブロル 
アンドリュー・マッカーシー ナイジェル・ヘイヴァース ステファニー・コッタ 

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