10.05.2008

24色の色鉛筆 SleepWalking



スリープウォーキング (夢遊病) というのは象徴的なタイトルのようだ。 映画はシャーリーズ・セロン扮する11歳の娘の母が、 保安官に怒鳴り散らしているところから始まる。

同棲していた男が大麻栽培で逮捕され、 家宅捜索の名目で娘ともども家を追い出されたのだった。 転がり込んだのは弟の家。 弟は材木置き場で働き質素な暮らしをしているが快く姉親子を受け入れる優しい男。 やがては姉は1ヶ月後の娘の誕生日までには帰ると書き置きを残していなくなる。 わがままな姪の世話で仕事をクビになる弟に追い打ちをかけるように、 保護者不的確という烙印。 姪はソーシャルサービスに連れて行かれ、 ほどなくアパートまで追い出された弟は、 それでも姪を思いやり面会に行くが、 彼女は施設にはもう帰りたくないという。 ここからがロードムービーの始まり。

なけなしのカネを握りしめ、 不得意な運転で姉のクルマを転がし、 向かった先は父の牧場だった。 父と姉弟は長い確執を抱える。 子供をまったく愛してないかのような父は、 二人の家出以来の再開にもかかわらず醒めた顔で、 夜明けとともに息子と孫娘を叩き起こして働かせ、 ある朝、 口答えした孫娘に手を上げる・・



結末も含め考えさせられる映画だが、 テーマは何なのだろう。 クルマで旅をすることになった弟と姪だが、 関係のわからない二人は怪しまれるから親子ということにしようと彼女は言う。 わかった、 という弟の微妙な表情。 あるいは父が言う、 "とにかく孫がいるのはいいことじゃないか"・・ このあたりで、 娘の父親は一体誰なんだろうという疑問がわく。

娘を演じるアナソフィア・ロブはデビュー間もない頃のジョディ・フォスターを思わせる存在感で (顔はジェニファー・コネリー似か、 ちょっと古いがマーゴ・ヘミングウェイなんかも思い出す^ ^) 有望な新人じゃないだろうか。 アナソフィア演じる娘が旅の途中、 モーテルのプールサイドをローラースケートで走る。 そして、 そのまま飛び込み台へ滑走するシーンは印象的だ。

そして誕生日に叔父からもらうプレゼントが24色の色鉛筆なのだが、 これには何の前振りもない。 叔父が彼女を子供だと思っているということか、 これで夢を描けとのメッセージか。 しかしプレゼントを開けたときの彼女のうれしそうな顔が、 彼を長い夢遊病から目覚めさせるのだ。

セロンはシナリオに惚れ込んで製作を買って出たそうだが、 さて日本公開はあるのか。



SleepWalking (2008カナダ・アメリカ) 日本公開未定
監督 ビル (aka ウィリアム) ・メイハー
ニック・スタール アナソフィア・ロブ シャーリーズ・セロン (製作兼)
ウディ・ハレルソン デニス・ホッパー 

SleepwalkingSleepwalking
Nick Stahl, Charlize Theron, Woody Harrelson,
Dennis Hopper, dir. William Maher

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