8.04.2008

人生は 'あいこ' 「マイ・ライフ、マイ・ファミリー」



1960年に 「明日なき十代」 The Young Savages という映画があるが、 これは '明日なき40代' の映画と言えるだろう。

痴呆の父親を抱える兄妹。 ローラ・リニー演じる中年女は実質38才だが、 未婚で派遣のバイトをしながら、 いまだに劇作家の夢を追っている。 髪の薄い既婚の男ともつきあっている。 兄役のホフマンはここでも非常にこなれた役者っぷりを見せているが、 彼もまた大学で演劇を教えるかたわら執筆活動を行っている。 母は早くに音信不通となっている模様の 'サベージ家の人々'。

二人とも自分のことで精一杯、 親父の面倒を見る余裕などない。 いよいよおかしな行動を取り始めた父を手っ取り早く老人ホームに入れてしまう。 父の目に映る最期の風景は、 ベッドサイドに置かれた "ラヴァランプ" のようにアメリカの平均的な人生を象徴している。

日本でも勝ち組、 負け組と言われるようになった昨今だが、 本家はもっと意識的だろう。 しかし、 この兄も妹も決してルーザーではない。 だからと言って華々しい勝者というわけでもない。 実際のアメリカもきっと、 こういう人が大半なのだ。 監督は女性だがとくにフェミニズムな視点を示すわけでもなく (今どき、 そういうのも流行らないし)、 この現実を淡々とペーソス混じりに描く。

私事で恐縮だが自分の父は数年前、 ホームなどに入る前に他界してしまったので少し違うとしても、 年代的にはマッチしているはずの作品でありながら特別深い共感を覚えることもなかった。 むしろベタッとした前半は退屈で、 先日 「カンブリア宮殿」 で見た '徳島県上勝町' の事例などを挙げ別の老後を示してまとめようかなとも思いながら見ていた。 だが父に別れを告げた兄妹は吹っ切れたように、 あるいは人生の短さを悟ってか、 華々しくもない負け犬でもない自分の人生を受け入れ、 以前よりもひたむきに生き抜く姿をササッと見せて映画は終わる。 このへん、 いい感じ。

勝ち負けじゃない人生について考えてみるなら、 いい材料となる映画ではないだろうか。

(追記) ありがちなタイトルとなってDVDスルーされた模様^ ^


マイ・ライフ、マイ・ファミリー The Savages (2008) 日本未公開 
監督 タマラ・ジェンキンス 
ローラ・リニー フィリップ・シーモア・ホフマン 
マイ・ライフ、マイ・ファミリー [DVD][DVD]

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