8.14.2008
単館の終わり 「黒い土の少女」
黒い土の少女 WITH A GIRL OF BLACK SOIL (2007韓国)
監督 チョン・スイル
ユ・ヨンミ チョ・ヨンジン
*ベネチア 芸術映画館連盟賞・LINA MANGIACAPRE
*釜山国際映画祭 NETPAC
公式サイト&トレーラー
日本では渋谷のフィルムフォーラムでちょこっと公開されただけでDVD発売も未定だが、 お盆にふさわしい(?)気がしたので取り上げてみよう。
かつて炭鉱業で栄えた江原道の とある村に、 兄と妹は暮らす。 兄は知的障害児で、 面倒見のいい妹がいつも世話を焼く。 事情は不明だが母はいない。
父は 'じん肺' と診断され炭鉱での職を解雇される。 職安にも見放され、 魚の行商を始めるが上手く行かず。 以前は子供たちと和やかに歌う良き父だったが、 一途、 酒びたりの生活へ。 娘は小さな心でひとつの決断をする。
壊れたピアノとウッドベースによる楽曲が冒頭とエンディングロールに流れるだけで、 劇中での音楽は一切なし。 アートフィルムと評される映像で語る隠蔽された社会の断片。 かつてATGと呼ばれる運動/映画会社が日本にもあったが、 ロングテールの今だからこそ、 こういう映画に触れる機会はもっとあってもいいという気がする。 単館という形態はネットのなかにこそ再生されるべき。
チョン・スイル監督インタビュー
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