フローズン・タイム CASHBACK (2006イギリス) 日本公開2008
監督 ショーン・エリス 公式サイト
ショーン・ビガースタッフ エミリア・フォックス
短編バージョンのときから印象深い作品だった。一部ではかなりの人気で、長編版が製作されることになって楽しみにしていたが、 今日ようやく見ることができた。短編で完成してしまっているのではないかとも思ったが、 長くなってもバランスを崩さず、 むしろ先のは序章に過ぎなかったと感じさせるほどに膨らみとまとまりを見せている。
この映画を説明するのは、 ある種むずかしい。良かったよ〜、 と口コミで広めるのとは正反対の、 ひとりで発見し密かに楽しむ映画かなと思う。空気感が似ているものを2作思い出した。ロビン・ウィリアムズの 「ストーカー」、 そしてアダム・サンドラーの 「パンチドランク・ラブ」。 エントリー末にAmazonへのリンクを張っておくので、 よかったらご参照を。 ストーカーというのはあまりにもひどい邦題で、 原題は "1時間写真"、 フォトラボに勤める男の話だ。
'郊外的' と形容すればいいのだろうか、 中心から少し外れた場所で、 淡々とした日常を送るような空気感が共通しているように思う。本作ではさらに、性にめざめた頃のような無垢なエロスがフィーチャーされる。 残念ながら日本版のDVDはボカシありだ。 いまどきボカシなんて本当に余計なことをしてくれるものだ。 これを大きなお世話と言わずして何と言う? キズ物の商品を割高で売って平気な顔をしていることにメーカーは気づかないのだろうか。ムカつく人は海外版DVDで正しく鑑賞すべし! インパクトがまるで違うので^ ^ » 海外版DVD
彼女と別れてから不眠症になった美大生、時間を有効利用しようとスーパーで夜勤のバイトを始める。不眠の影響か、あるいは美を愛しみたいという願望が才能を開花させたのか、時間を止める能力に目醒める・・
監督はフォトグラファーでもあるので、こうした着想も身近なものだったのだろう。止まった風景は死のように静謐で、その中を自分だけが気ままに歩く。美しい女性を心ゆくまで眺める。 ここまでは短編と同じ。 そして長編バージョンの本作では新たな恋が彼を不眠の呪縛から解放すると同時に未来をも切り開く物語となっている。 しかし ここで描かれる特殊能力とは、実は誰しもが持っている 'ちょっと変わった部分' に過ぎないとも言える。また嘘から出た誠、悪友のイタズラに欺されてしまうこともときにはいい結果につながったり。他人をうらやんだり、あるいは自分を蔑んだりすることとは無縁の、自分なりに日常を泳ぐ能力を全面肯定されているかのようだ。
そしてストップモーションの表現は、なかなか素敵なラストシーンに結実する。
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1 コメント:
日本上映時は完全無修正でした。
階段のシーンもモロでした。
芸術性の高い作品として映倫が許可を出したからです。
しかし、あろうことか、DVDではボカシつき。芸術性の高い作品なら違法性はないのに。
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