6.13.2008

人形の死 「ラースと、その彼女」



兄夫婦は両親の残した家に住み、 弟ラースは独身でガレージに住んでいる。 (自分でその選択をした様子) ある日ラースは 「彼女が来てるので泊まらせて欲しい」 と頼みに来る。 弟がまともになったと喜んだ兄夫婦であったが彼が紹介したのは等身大の人形だった・・

兄夫婦は面食らうが町の人々に相談する。 人々もラースを変人扱いせず、 彼の恋人ビアンカを受け入れる。 一見、 面白可笑しいトリックスターの使用と映るが、 その実、 教会を中心としたアメリカの田舎町の地域社会のあり方が描かれている。 共同体の喪失などと論じられる日本よりも強固な社会がそこにはあるように見える。 あるいは、 あるべきものとして描かれる。

ラースは兄夫婦の計らいで精神科にかかるが、ここでも患者はラースではなくビアンカの体調を看るものとして話は進む。この女医の対応が田舎町の医者にしとくのはもったいないくらい見事。

ラースはそんな精神状態でも会社勤めを続け、職場の女の子ともデートすることに。
デートはボーリング場。 このへんはタイトルどおりのテイストを狙ったのだろう。 雪解けのように徐々にラースの心は '現実の女' に向かい始める。 職場の彼女は普通ならいじめの対象になりそうなキャラだが、 彼女もやはり地域の住民。 この土地のことは小さい頃から周知している。 ボーリング場を出ると外はなごり雪、 そのとき彼女は言う。

"冬はイースターまでよ"

日本公開は冬になるそうだから、 雪がちらついたりしたら、 この言葉はいっそう深く響くことだろう。

ラースと、その彼女 Lars and the Real Girl (2007) 12/20公開予定  監督 クレイグ・ギレスピー  公式サイト  主演 ライアン・ゴズリング エミリー・モーティマー 

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