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11.08.2015

古風なギャル 「天使の欲望」



1979年に同タイトルの日本映画があるため、そっちと間違えて借りてしまったかなと思うくらいレトロなタッチ。しかし70年代後半などでなく、もっとさかのぼって60年代くらいの日本映画にあったストレートなセリフ、強い目線に原初的な「映画力」を感じる。タイトル、縦書きのオープニングクレジットまでが昔風で、エンディングも「完」でストンと。

古風な話し方であってもスカートの短かい高校生というところは今風だったり、特定の時代を狙った設定でもないところが逆に新鮮。40分弱と短いにもかかわらずヘビーな後味で、ゆうばりやレインダンスで話題になるのも納得。OLから転身した女性監督とのことで、この異質さは好みだし、できれば次回作があってほしい。



天使の欲望 (2013日本)
脚本・監督 磯谷渚 
本間玲音 柳英里紗 中谷仁美 相馬有紀実 

6.08.2015

フォローしないで IT FOLLOWS



トレーラーを見ると殺人鬼モノかなという印象だが、まったく違っていて、都市伝説的な不思議エピソード。予想以上に不気味だし、フォローという現代的な暗示を含め、いろんなニュアンスが盛り込まれていながら、シンプルでオリジナリティを感じる新鮮な作品となっている。

何かがついてくる…。それは色情霊のように、たいてい裸に近い格好で、見たことのある人だったり、見たことはないがどこにでもいそうな人だったり。しかし確実に自分に近づいてくる。それに捕まるとどうなるかは最初のシークエンスでしっかり見せてくれる。これにフォローされている者と寝たら、今度それは自分をフォローしてくる。助かるには別の誰かと寝るしかないが、相手が死ん場合はまた戻ってくる。

風にそよぐ木々、プール、古いブラウン管のテレビ、白黒映画などゴシック的な引用を取り入れながら、音楽は懐かしい感じのジョン・カーペンター風だったり。かと思えば、構図などは凝っていてモダンな気がするし、スローモーションやステディカムなどもさりげなく入ってくる。そのくせ詰め込みすぎでもなく涼しげで、巧みな計算の得意なセンスのある監督といった印象。

目立ったキャストはいないものの、退屈で気だるい若かりし日の夏休みをふと思い出すような、ああホラーってこれいいんだよな、とホラー映画のアーキタイプのように自分的には思えた作品。というのは褒めすぎかもしれないが、こういう作品が今後増えてくるとしたら歓迎すべきトレンドではある。公開されるのかされないのかは知らないが、上映するならまさに今という季節だろう。そんなことを書きながらふと空を見上げると、子供の頃の早朝ラジオ体操で見た空と同じで、物悲しく爽やかな朝だ。




イット・フォローズ IT FOLLOWS (2014) 日本公開2016
監督 デビッド・ロバート・ミッチェル 
マイカ・モンロー キーア・ギルクリスト ダニエル・ゾボット 
ジェイク・ウィアリー リリ・セペ オリヴィア・ルカルディ 
ベイリー・スプライ 
イット・フォローズ [Blu-ray]
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5.08.2015

苦いシロップ “SYRUP”



前回のエントリーから17本め、ようやく何か書いてみたい作品に出くわした。ポスターはロシア版がオシャレだったのでこれを使うが、原題はシロップ。炭酸飲料のマーケティングにまつわる、古く言うと広告代理店もの。ネーミングやイメージ戦略がすべて、それを取ってしまうとただのシロップと水というニュアンスの映画、日本未公開ながらこの邦題はもう触れたくもないセンスだな。テキトーなタイトリングという行為自体が映画のテーマに反してるとか高尚なことを言わないまでも、ようするに見てもいない人が付けてるんだろうな。商品を知らずに売るのは詐欺以下と言えるだろう。

どこがよかったかと聞かれても、なんかよかったとしか言えないたぐいの映画ではある。アンバー・ハードもキレイだし、シャイロー・フェルナンデスというあんちゃんもいい感じ、演出も上手いと言えそうだが、ネタは新しいとも言えないし、ラストもつまんないかもしれない。えー、じゃあどこが?ということなんだけど、どこなんだろ、わからない^ ^

フェルナンデス演じるスキャットという才能、およびバカさがいいんだろうな。自分にもあてはまると思っちゃうんだろうな。アンバー演じるシックスというキャラもいいし、ラフな出会いもいい。そんな二人は戯画化されたスピード感のなかでは逆にマイペースで素朴というところがいいのかもしれない。

けっきょく説明できず、でも面白かったしシビれる一瞬があったとだけは言えるし、映画ってそれで十分だろということを確認できる作品かもしれない。邦題とダサいパッケージには目をつぶってレンタルでもしてほしい。



マイ・デンジャラス・ビューティー SYRUP (2013) 日本未公開
監督 アラム・ラパポート 
原作 マックス・バリー 
アンバー・ハード シャイロー・フェルナンデス ケラン・ラッツ 

12.12.2014

骨嵐 V/H/S Viral



何とか月一投稿だったのが、 11月は飛ばしちゃったな。 で、 ひさびさのエントリーがコレ^ ^ V/H/S, V/H/S/2 に続く第三弾!

前作・前々作ともに自分としてはめずらしく大絶賛だったので、 そろそろコケるかと期待していたら、 みごとに期待を裏切ってくれた。 こちらの読みなど どこ吹く風、 そ、 そう来たか(汗)という展開、 オムニバスやアンソロジーを通り越してリミックスとなったような疾走感。 VHSという往年のホームビデオのフォーマットをタイトルに冠した よくわからないシリーズの割に見応えのあるホラー作品だった。

ホラーという予定調和すら遥か遠くに抜き去ってしまった感じで、 このフェイクドキュメンタリーの最果てではカメラはGoProやスマホへ移り変わっているにもかかわらず、 なぜかリニアでアナログなトラッキングノイズやブラウン管にノスタルジーを投げかける。 かつてそこに記録され、 愛くしまれたものは既にこの世界にはなく、 滅びた世界の残骸として掘り当てられたかのような無残さのメルヘン。

各セグメントの触りだけを紹介しておくと、 君となら世界の果てまで・・ ラブストーリーはほんとうに世界の果てへ。 マジシャンがほんとうにマジックを使ったら・・。 パラレルワールドがパラレルすぎたら・・。 スケボー少年 VS XXX・・。 その他、 細切れのエピソードたち・・ 乞うご期待!




V/H/S Viral (2014) 日本公開未定
脚本・監督:
マーセル・サルミエント (Vicious Circles) 
グレッグ・ビショップ (Dante the Great) 
ナチョ・ヴィガロンド (Parallel Monsters) 
ジャスティン・ベンソン+アーロン・ムーアヘッド (Bonestorm) 
ジュスティン・ウェルボーン エミリア・アレス・ゾリャン エミー・アルゴ 
V/H/S: Viral海外版DVD

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10.18.2014

人類よ永遠に Autómata



ポスターをちらっと見て、 ブルース・ウィリスかジェイソン・ステイサムだと思ったが違っていて、 このハゲはアントニオ・バンデラスだった。 役作りのための坊主頭のようだが、 映画ではむしろハゲはかっこいい。 画面を引き締めてくれる必須アイテムのように扱われて久しい^ ^

ロボットものSci-Fiということで可もなく不可もなく見ていると、 意外に面白い。 ブレードランナーのような感じもしたが、 いやもっと昔の暗いSF 「Z.P.G. 赤ちゃんよ永遠に」 のような香りもする。

2044年、 環境の変化とテクロノロジーの停滞により人類には暗雲が立ち込めていた。 実際、 人口の雲から降らせる雨で地球の砂漠化に対処するのが精一杯だった。 人型ロボットが普及していた。 ロボットものの型どおり、 人を傷つけない、 自己改造をしないというプロトコルが埋め込まれていたが、 改造品が現れ、 それを追う保険会社社員ジャック・ボーカン。

そもそも改変できない仕組みを設計したのもロボット自身であり、 そのリミッターは外したのではなく外れたのだということがわかる。 人類が猿から進化したように、 それは起こるべきこととして進行した。

ジャックは先の見えないこの世界で娘を授かり、 幼い頃に見た海をめざすが、 ロボットは核エネルギー炉を内蔵して自己修復し、 さらには新たなモデルを自ら開発する。 有機体でない '生きもの' を生み出すことが人類の役割だったと、 その後の歴史は語るかもしれない。 からくり人形は人間に与えられた顔を捨て、 砂漠に消えた。



オートマタ Autómata (2014スペイン・ブルガリア) *日本公開2016
監督 ゲイブ・イバネス  公式サイト
アントニオ・バンデラス メラニー・グリフィス