12.02.2012

最後にノックするドア AMBER ALERT



また例によってファウンド・フッテージもの、 あるいはPOVまたはフェイクドキュメンタリーだが、 ホラーというカテゴリーには収まらず、 というか基本的にホラーではなく、 しかし、 かなりのドキドキハラハラを体験させられる意欲作だ。 最低限の予算で最大限 手に汗握らせられ、 片時も目を離せない面白さなのだから、 この手法のポテンシャルと奥深さを思い知らされるとともに、 また一人、 技量とアイディアを持つ人が輩出されたわけだ。

アンバーアラートというのはアメリカやカナダで 未成年者誘拐事件や行方不明事件が起きたときに、 ハイウェイの電光掲示板その他メディアに出される情報のことで、 迅速さが要求されるこの手の事件解決に一定の成果を上げているという。

二人組のシンガーソングライターがリアリティ番組をセルフプロデュース、 その撮影の過程、 アンバーアラートで告げられたナンバーの車を発見 (自分もかつて乗っていたホンダのアコードだが^ ^) 警察に通報するもレスポンスが悪く、 放っておけず自分たちで追跡することになる。

途中で追跡に気づかれ、車を停め男が降りてくる。 "いや、 元妻がXXXXでね、 アンバーアラートになってるのは知ってるが間違いだ、 あれは娘だ" みたいなことで煙に巻かれる。 実はその少し前にガソリンスタンドで停車中、 男が車を離れた隙を見て撮影に使っていたワイヤレスマイクをその車に投げ込んでいた。 男がこの弁明をして立ち去った後に無線がキャッチした声は・・。

ようやくパトカーが現れたのはいいが、 正確な情報伝達がされていないらしく、 こちらの車が停められ、 結局グレーのホンダを取り逃がしてしまう。 一日中、 追っかけっこをしてきた3名様はとにかく腹が減ったとダイナーへ駆け込むが、 少女の声を思い出すと居ても立ってもいられず。 確か "サンドヒル" という言葉を無線で聞いたと思い出し、 調べてみると少し行ったところにサンドヒル・ロードというのがある。 時刻はすでに深夜。

とまあ、 あとは見てのお楽しみだが、 少女はすごい閉じ込められ方をしているし、 悲しい結末が待ってはいるのだが、 この予算にして何かジーンとするものまで残る、 あなどれない新作POV。 エントリータイトルはパトカーを待たずに家に踏み込もうとする彼女をなだめるセリフ。 日本公開は例によって未定だが、 いつかどこかで見かけたら乞うご期待。




アンバーアラート(原題) AMBER ALERT (2012) 日本公開未定 
監督 ケリー・ベレッサ 
脚本 ジョシュア・オラム+ケリー・ベレッサ 
サマー・ベレッサ クリス・ヒル ジェイソン・ウェイド 

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