12.01.2012

青春という名の悪夢 「ベルフラワー」



監督であり主演のグローデルの体験を元にしたということで、 女を盗ったり盗られたり、 傷つけたり傷つけられたりと、 いわゆるグダグダの青春映画。 引用されている 「マッドマックス」 もよく思い出せないが、 火炎放射器はまあインパクトがある。

"美しい花" だか "呼び鈴の花" だかというのは町のストリートの名前だが、 何も変わらなかったこの町を出ようとしながら、 時とともに自分たちはすでに変容していた。 すでに青春は終わっていた。 そんな苦さが残る。 思ったより悪くない作品かもしれない。 しかしカメラのレンズは汚れてるし、 しきりに取り入れようとしているジオラマ風の絵作りもあまり決まらない。

それよりも焼き殺したいほど愛した彼女が、 気が合うのはいいんだが、 あまりにもタイプでなくて乗っていけず、 幻覚なのか妄想なのかわからないエンディングもサッパリしない。 そもそもサッパリしない映画なんだし、 いいではないかとも言えるが、 せめて青春とはサッパリと決別してほしかったなと。 マッチョ志向はナヨナヨの裏返しかもしれないが、 火炎放射器でもそれは煮え切らなかったということだな。




ベルフラワー BELLFLOWER (2011) 日本公開2012.6
監督・主演 エヴァン・グローデル 
タイラー・ドーソン ジェシー・ワイズマン レベッカ・ブランデス 

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