5.06.2012

墜落する時代 「崖っぷちの男」



先日のコレといい、 未エントリーの 「ペントハウス TOWER HEIST」 といい、 なぜか最近、 高所恐怖症ものが続く。 本作もシリアスな飛び降りシーンのポスターが目を引くが、 実は飛び降りは計画の一環であり、 実質は向かいのビルへ潜入するタワーハイストもの。 飛び降り者説得シーンと潜入シーンが平行して進むミクスチャーなシナリオとなっている。

宝石強奪で25年の刑に服している元警官。 無実を主張するが上告や再審の望みも絶たれる。 そんな矢先、 父親が他界、 葬式に出席することを許可されるが、 チャンスとばかりに逃亡。 男が再び現れたのはホテル上層階の窓辺だった。

「ペントハウス TOWER HEIST」 では破綻した投資家がリカバーのために庶民からダマし取ったカネを取り返すという筋書きだが、 ここでは変動する貴金属価格の下、 破綻しかけた宝石商が穴埋めのために事件を偽装、 濡れ衣を着せられた男が反撃するという点でもよく似ている。 これまでの価値が墜落していく時代を象徴しているのかもしれない。

ソツなく付けたつもりの邦題もどこか違うのは、 崖っぷちに立っているのはこの男ではなく、 涼しい顔でごまかし続ける宝石商のほうであり、 「ペントハウス」 でも その言葉に貼り付く憧れはすでにメッキが剥がれているから強奪こそが正義であり、 邦題は作品の立ち位置とは反対のニュアンスになってしまっているのだ。

とか何とかそれらしいことを書いたが、 基本的にはディズニーの娯楽大作、 手に汗握ってのハッピーエンドなのだが、 見所は何と言ってもジェネシス・ロドリゲスの潜入過程でのジャンプスーツへの着替えシーンだろう。 30億のダイヤよりもゴージャスだ^ ^ エリザベス・バンクスとともに 'ツインタワー' で楽しめる。 乞うご期待!



崖っぷちの男 MAN ON A LEDGE (2011) 日本公開2012.7/7
監督 アスガー・レス  象のロケット 
サム・ワーシントン エリザベス・バンクス ジェイミー・ベル 
アンソニー・マッキー ジェネシス・ロドリゲス キーラ・セジウィック 
エド・バーンズ エド・ハリス 

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