2.14.2011
Your Highness 「英国王のスピーチ」
賞の呼び声も高い本作だが、 何となく敬遠してしまっていた。 イギリス国王の名スピーチを描いたカタい作品かなと早とちりしていたが正反対で、 国王は吃音の悩みをかかえる 'スピーチべた' だったのだ。 ラジオが発明されて間もない頃、 王の役割はすでに政治的な判断ではなく、 スピーチを通じて国民に語りかけることだったから、 この悩みは想像以上に大きいはず。 誰にでも悩みはあるもんだ。
後継者として育てられ、 左利きを矯正され、 兄と比較されてきた王子は、 恐らくそうしたさまざまな抑圧のなかで吃音を背負うこととなる。 何度も治そうとしたが、 王室お抱えのドクターにその力はなかった。 夫人が思いつきで訪れた町の診療所に最後の望みを託すこととなるが そこには、 ひときわ いいかげんそうなオーストラリア人がいた・・。
王と平民の友情、 言ってしまえば それだけの話かもしれない。 しかし必要とされることと、 それに答えることの尊さみたいなものがイギリスらしい やりとりのなかで描かれる。 そうして王位を継いだ最初のスピーチは皮肉にもナチス・ドイツとの開戦を告げるものであった。
王の恐れ多さみたいなところに実感がないだけに、 このオーストラリア人の傍若無人ぶりが いまいち伝わりにくい部分もあるかもしれない。 夫人の献身ぶりなどにも大時代を感じる。 しかしながら圧倒されるでも手に汗握るでもないが、 そこはかとなく見つめるドラマがそこにはあり、 気づけば見終わっている。 評判に違わぬ上出来な作品、 今月26日から乞うご期待。
英国王のスピーチ The King's Speech (2010イギリス・オーストラリア)
監督 トム・フーパー 日本公開2011.2/26~ 公式サイト 象のロケット
コリン・ファース ジェフリー・ラッシュ ヘレナ・ボナム=カーター ガイ・ピアース
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