9.23.2009
ソロからデュオへ 「路上のソリスト」
一時期 注目されたワーキングタイトルフィルムズ製作だが、 このところ不発ぎみ。 「奇跡のシンフォニー」 や 「扉をたたく人」 のような音楽物を期待したが、 音楽の '恩寵' は多くはなかった。
その分、 ジャーナリスティックな視点、 世を憂う社会性は高いと言えるかもしれない。 LAタイムズの記者による実話が原作で、 彼は路上で墜ちた天使をみつける。 その路上生活者は音楽への愛を隠しきれないでいたが、 音楽からは見放されてしまった。 ジャーナリスト ロペスは、 この堕天使ナサニエル・エアーズを追う。 ジュリアード音楽院を中退したエアーズは、 チェロを捨てドラムやピアノを経て、 現在はバイオリンを弾いている。 弦が二本しかないバイオリンを。
堕天使の物語をコラムに書いたところ、 読者からチェロが贈られる。 市長がホームレス対策費を増やしたりと、 変化はあった。 自分の記事が世界を救い、 そして彼を救うかもしれないとの情熱に燃えて、 ロペスはエアーズにアパートを与え、 音楽関係者の前に引っ張り出す。 彼のソロコンサートが開かれることになるが、 エアーズは期待に応えられない。
落胆したロペスはすべてをなかったことにしようとするが、 迫る新聞社のリストラ、 出版のオファー。 結局ジャーナリストは、 路上の天使の信頼を失ってしまうことに。 そして世界を救うどころか、 自分自身をも救えなかったことに気づいて初めて、 彼はナサニエルと、 ただの友だちになれる。
演出は工夫が施されているが、 裏目に出てしまった感がなきにしもあらず、 全体に散漫な印象を受ける。 それを役者の好演が補って何とかなった気のする、 惜しい作品。 それでも過剰な期待をせずに見ると、 少なからず何かの残る映画かもしれない。
路上のソリスト THE SOLOIST (2009) 公式サイト
監督 ジョー・ライト 原作 スティーブ・ロペス
ジェイミー・フォックス ロバート・ダウニー・Jr キャサリン・キーナー
リサ・ゲイ・ハミルトン トム・ホランダー
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