
いつも上手いなあ、 と思わせるケラだが、 今回は狙いすぎか。 一部の美術などはけっこう凝っててよかったが、 笑いは中炸裂といったところ。 でもまあ面白かった。
成海璃子って、 こんなにポチャっとしてたっけ。 移ろいやすい年頃だからか、 以前とは随分と印象が違ったが役柄にはむしろ合ってたのかもしれない。 まさか、 役作りのために太ったわけでもないとは思うが。
演劇的だなと感じる部分は当然ながら多々あるが、 大きなところで言えば '常識' だろう。 不条理劇というと観客を突き放して一人突っ走ってしまいがちだが、 ケラさんの場合は傍らにはきちんと常識があって、 それをよーくわかった上で ころっと裏返してみるのではないか。 人を殺してはいけない、 でも戦争では英雄 (これは新しくもないが)。 タレントがやる一日警察署長はお飾り? でももし、 ほんとうに権力が行使できれば・・ このあたりは、 ならではの着眼点だな。 思いつかないよ、 一日署長なんて^ ^
気持ちいいスタンガンから "他の全部のページが逆さまなの!" まで、 そうした常識人の視点で、 でも反対のことってけっこうあるよねというネタを集めてきているので、 観客は 'あるある' も 'ありえなーい' も含めて安心して笑えるのだという気がする。 なんとなくで済ませている部分は意外になく、 考えて作られ、 観る者に疑問を抱かせないのは さすが。
それにしてもドストエフスキー の 「罪と罰


罪とか罰とか (2009日本) 公式サイト
脚本・監督 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
成海璃子 永山絢斗 奥菜恵 山崎一 大倉孝二 安藤サクラ
段田安則 市川由衣 佐藤江梨子 犬山イヌコ 麻生久美子
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