何でまた、 いまどき航空業界ものかと思いながら見たが、 矢口監督流の爽やかなエンタテイメントとしては楽しめた。 ひと昔前は憧れの職業としてパイロット、 スチュワーデスが挙がったものだが、 同じく一昔前の憧れの企業であろうフジテレビ、 東宝、 電通では、 いまだにそういう感性を引きずってるのだろう。 バブル以降、 あるいは911以降の航空業界に触れる部分はまったくない。
パイロット、 キャビンアテンダントはもちろん整備士、 空港スタッフまで、 ベテラン 対 新人という構図が貫かれている。 一見、 厳しいかに見えたベテランは、 カッコをつけているわけでも後輩をイビっているわけでもなく、 責任ある判断と行動、 ときにはウィットと機転を利かせながら あるべき姿を見せ、 かつまた後輩を見守っていることが物語の展開とともにわかってゆく。 ITについていけないアナログ窓際的ベテランが活躍する場面も用意されている。 ようするに 乗客の安全と会社の利益を最優先する優秀な社員像あるいは職業人像が ANA全面協力体制で描かれているわけで、 微妙に気持ち悪くもあるが、 どんな事態にも四の五の言わずにやることをやれ、 という態度は素敵ではある。
それにしても大手の邦画はまだまだステレオタイプだなと。 不況もご時世もそっちのけで、 王道を行けば万事OK、 みたいな。 現状はとりあえず置いといて、 古き良き安心感みたいなものが味わえる映画と言えるだろうか。
ハッピーフライト (2008日本)
監督 矢口史靖
田辺誠一 綾瀬はるか 吹石一恵 森岡龍 田畑智子
時任三郎 寺島しのぶ 田中哲司 田山涼成 岸部一徳
スタンダードクラス・エディション [DVD] powered by G-Tools |
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