3.19.2009

不況に負けないで! 「キット・キトリッジ」



舞台はシンシナティ、時は1934年・・ 奇しくも前回の "未曾有の大不況"、 ニューディール政策が敷かれる世界大恐慌のまっただ中であります。 ・・弁士風に始まってしまったが、 これは非常にタイムリーだなと思って見た。 素晴らしい。 プリティウーマンことジュリア・ロバーツは、 こっそりとこんな映画を作っていたのだ。 何より素晴らしいのは、 苦難に晒される大人の姿が、 子供の視点から描かれてあること。 そこでは大人はもう、 偉そうに子供に説教などできない。 言えるのはこの時代を生き抜くために、 真に必要だと思われる教訓だけ。 それは大人自身に向けて発せられる言葉でもあるので、 子供もその重みを感じることができるのだ。 父は娘に言う。

ヤケになったら負けだ

近隣の家は次々と差し押さえられ、 街には失業者があふれる。 少女は新聞記者志望。 ボランティアで、 今で言うホームレスの人たちにパンとスープを配るのだが、 その片隅で食事をする父の姿を見てしまう。 父の店も差し押さえられたのだ。 仕事を探しに、 母娘を残してシカゴへ行くと言う・・

つらい目に合うのは大人だけではない。 家をなくし森で暮らす人たちの中には、 少年たちもいる。 強盗事件があると浮浪者がまずヤリ玉に挙げられるのだが、 あるとき一人の少年に疑いがかけられる。 彼ではないと確信する少女は真犯人を突きとめる。 "キットの事件簿" などと印刷されたジャケットも見かけたので、 発売前に邦題が変更されたのかもしれない。 確かに事件簿ではあるが、 犯人捜しで終わらない物語がここにはある。

なんとか家を守った者は下宿人を取るようになり、 少女と年の近い息子を連れた母親、 こんな時代でも明るいダンサーやマジシャンたちと同居することに。 新聞社のガンコ編集長や森で暮らす元・証券マンも含め、 渋めのキャスティングで多数の登場人物が出てくるが、 誰も不要ではない。 父からの手紙は途絶え、 卵を売り、 エサ袋の服を着て、 それでも子供たちには、 あるいは大人たちにも、 それまで見えなかった何かが見えてくる。 例によって未公開DVDスルーだが、 大不況に怯える前に見ておいて損はない大秀作だ。



キット・キトリッジ アメリカン・ガール・ミステリー (2008) 日本未公開 
KIT KITTREDGE:AN AMERICAN GIRL 
製作総指揮 ジュリア・ロバーツ 
監督 パトリシア・ロゼマ 原作 ヴァレリー・トリップ 
アビゲイル・ブレスリン ザック・ミルズ マディソン・ダベンポート 
マックス・シエリオット ウィロウ・スミス ジェーン・クラコウスキー 
ジュリア・オーモンド クリス・オドネル コリン・モクリー 
ジョーン・キューザック スタンリー・トゥッチ ウォーレス・ショーン 
キット・キトリッジ アメリカン・ガール・ミステリー [DVD][DVD]

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