3.15.2009

チェロ 「おくりびと」



DVDになって、 ようやく見た^ ^ まあ今さら自分なんかが絶賛してもしかたないんで、 あまのじゃくなことでも書いてやろうかと思ったが、 それも見つからなかった。 今回は、 概ね世間の見解とはズレのない作品ではあることは確認できたが、 これが物心ついて初めて見た映画だったら、 映画好きにはなってないだろうな^ ^

見る前は伊丹監督の 「お葬式」 (1984) を連想したりしていたが、 似て非なりというか、 やはりこちらは今の映画だ。 また特に海外賞を狙ったテイストでもなく、 大げさに持ち上げなければ淡々と見れるし、 2時間10分もあっという間に感じるのはさすが。 滝田監督や出演陣にも増して、 脚本家を評価すべきか。

チェロがいいね。 これがもしバイオリンやピアノだったら、 音楽も変わっただろうし、 映画自体の雰囲気も変わっていたことだろう。 子供の頃からの練習で床に開いた穴、 故人の着せ替えをするときもチェロを抱くかのように・・ チェロというと個人的には 「小さな恋のメロディ」 や 「ジェレミー」 を思い出すが、 いい物は1千万円以上するんだな。 海外版のポスターではチェロを使っているのも納得。

'石文' というアイディアも秀逸だ。 出来すぎと言うべきか。

故人を送っては、 おいしいものを食べるという、 生と死の対比。 納棺師の仕事に惹かれていく様子や擬似的な父子。 よくできたシナリオだが、 ウェブ・デザイナーの奥さんが夫の新しい職業を 'けがらわしい' と言うのは、 前述の評価とは反対に今の映画らしくない気がする。 その職業を卑下する前に、 どんな仕事かすらわからないのではないか。 体裁より、 割りのいい仕事と歓迎するほうが今のマインドではないか。 社長の口ぐせである "大丈夫" や "困ったことに" も、 どこか取ってつけた感じ。

おばあさんにルーズソックスを履かせるあたりは好きだ^ ^ これからの時代への静かなパースペクティブを持っている点はいいと思うが、 でもやっぱり、 ちょい地味かな。


おくりびと Departures (2008日本) 公式サイト&予告編 
監督 滝田洋二郎 *アカデミー外国映画賞 
脚本 小山薫堂 音楽 久石譲 
本木雅弘 広末涼子 山崎努 余貴美子 吉行和子 杉本哲太 
おくりびと [DVD][DVD]

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