よくできたミステリー小説がテレビ局製作で映画化された、それ以上でも以下でもない作品だが、 まあ普通に面白かった。 この物語になぞらえて言うなら、 小粋なミステリーと思わせて実はラブストーリーという '引っかけ問題' か。 。
演技って何だろうなと、 ときどき思う。 あの人は上手いとか下手とか。 この作品は当然、 堤真一で持ってるんだが、 実際のところ彼はどんな凝った演技をしているのだろうと考えてみても、 ただ普通に演じているだけに思える。 原作では恐らくもっとキモイ中年男を、 けっしてみすぼらしくはない堤が、 彼なりの工夫で、 あるいは演出サイドの助けを借りて みすぼらしさ、わびしさを表現する、 それだけのこと。 にもかかわらず堤と並ぶと、 福山をはじめ他の俳優がただのコマに見えてしまうのはどういうわけだろう。
不幸な天才数学者・・ 感情移入できる設定だが^ ^ 対するはアイドル物理学者。 二人は大学の同期でありながら、 十数年後の現在、 天才は三流の高校教師、 アイドルは大学で教鞭を取るかたわら研究室でも先生と呼ばれ、 警察からも捜査協力を依頼されるような社会的地位にあり、 "この景色が美しいと思える自分はいま充実した人生を送っているんだな" などと話す。 同じ年には見えないほど一方は老け、 一方は若々しい。
愛する人が犯してしまった罪、 彼女を守るために天才が練った完璧なトリック。 "その頭脳をもっと有意義なことに使ってほしかった" とトリックを見破りながらその友達は言うが、 愛する人を守るのは意義のないことなのか。
天才と言えども人間。 人生に絶望し、 愛する人の最後の行動を予測できなかったのだから。 彼のことを友達だと言った物理学者に対し、 天才はポツンと答える。 "俺に友達はいない" ・・ 堤が言うと、 これがまた寂しげなんだな^ ^ 3月DVDリリース。
容疑者Xの献身 (2008日本) 公式サイト&トレーラー
原作 東野圭吾 監督 西谷弘
堤真一 福山雅治 松雪泰子 柴咲コウ 北村一輝
スタンダード・エディション [DVD] 容疑者Xの献身 東野圭吾 著 powered by G-Tools |
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