1.11.2009

リオの友と、父 「シティ・オブ・メン」



シティ・オブ・ゴッド」 (2002 フェルナンド・メイレレス監督) は衝撃的な作品だった。 そのあとブラジルではテレビシリーズになったらしく、 まさか、 あれがテレビに? と思ってしまうが、 テレビ版での監督の一人パウロ・モレッリを起用、 メイレレスは製作に回ってできたのが本作。 ゴッドほどガツンとした痛さはないが、 リオのスラムをより詳しく伺い知ることのできる良作だ。

18才になったばかりの少年には、 すでに小さな息子がいる。 父親としては未熟ながらも、 自分のような '父なし子' にはしたくないとの一心から、 なんとか面倒を見ている。 だが彼らをとりまく環境は最悪だ。 岸壁に家が建ち並ぶデッド・エンド・ヒルは、 ギャングスタの縄張り争いの場でもある。 抗争に巻き込まれ、 家を追われ、 仕事をクビになり、 頼れる大人もいない。 親友との仲もギクシャクした矢先、 ヒル奪還を狙うボスから銃を手渡される・・

ひと昔前に流行った、 粒子の荒れた映像を、 このシリーズのアイデンティティと言わんばかりに継承。 八方塞がりの世界になんとか一抹の希望を見出す結末は爽やかで、 あの恐ろしかったゴッドから5年、 これは状況が好転した結果の物語であることを祈る。 未見のかたは、 両作あわせて見ると感慨も倍増するのではないかと思う。


シティ・オブ・メン (2007ブラジル) 日本公開2008
CIDADE DOS HOMENS/CITY OF MEN
監督 パウロ・モレッリ 製作 フェルナンド・メイレレス 
ドグラス・シルヴァ ダルラン・クーニャ 
オフィシャルサイト&トレーラー 

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