6.20.2008

冷静で狂った警官 「フェイクシティ」



STREET KINGS・・ エッジの立たないタイトル、 パッとしない企画。 見る前はそんな風に思えた作品だが、 悪くない。

映画の中でもチラッと "セルピコって知ってるか?" みたいな会話が出てくるが、 あまり詳しく言うとネタバレになってしまうので割愛^ ^ 本当の 'ストリートの王' が誰なのか? それは見てのお楽しみ!

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妻が死んでから狂ったように突っ走る L.A.P.D.の警官。 これを演じるのはミスキャストぎみのキアヌ。 だが自分はけっこう好きだ。 自分に似たイケメンだからか。 。 狂った警官トムは意外にもタフガイで、 銃撃戦では逆に沈着冷静。 だから死なない。 そしてついに王を突き止めるが・・

監督のデビッド・エアーは 「S.W.A.T.」 やデンゼル・ワシントン主演の 「トレーニングデイ」 あるいは未公開の 「バッドタイム」 の脚本家。 今回は監督を任せてもらえて喜んで撮っているような気がするのだがどうだろう。 演出は過不足なく楽しめるし銃撃戦も迫力十分。 撃たれて死んでいく者の表情がヘンにリアルなのは、 そういう取材を重ねてきたからだろうか。

最近よく見かけるウィッテカー、 本作ではキアヌの暴走をフォローし、 ときには証拠隠しなどもやる上司役である。 あいかわらずの '左目細め顔' で好演しているが、 もしかしてこちらの方がミスキャストかもしれない・・

スチールもありきたりな雰囲気の物しか見つからず、 今後日本公開が決まっても宣伝に苦慮しそうな作品だが、 いつかふと気まぐれで見ても損はない、 そんな映画だ。



こんな邦題で公開が決まったようだ。 遅っ。 。

フェイクシティ ある男のルール STREET KINGS (2008)
日本公開 2009年2月予定 
監督 デビッド・エアー 
キアヌ・リーブス フォレスト・ウィッテカー 


と思っていたら、 もうDVDリリース^ ^
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6.19.2008

フリチンで熱演! 「イースタン・プロミス」



手の甲に入れ墨のある男。
彼はロンドンでロシアン・マフィアの運転手をしている・・

これ以上書くとネタバレになりそうなので割愛^ ^ でもこれは書いていいかな、 ヴィゴ・モーテンセンは今回、 フリチンでこの男を大熱演している。

クローネンバーグ x モーテンセンは 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」 以来の名コンビだが、 本作もその系譜にある物語と言えるだろう。 新感覚のホラー物を撮っていた監督も今やすっかり巨匠。 しかしながらこのクライムサスペンスは、 やはり一味もふた味も違っている。 派手な演出や VFX 的な処理は一切ないし、 謎解きに焦点が当たっているわけでもない。 淡々と引き込んでおいて、 さらっとロシアの哀しみを見せるのだ。

イースタン・プロミス(=東の約束) というのは公式サイトでも触れられていないようだが、 東欧系の組織による人身売買契約のことを指すらしい。 より良い暮らしを求めて祖国を出た者を待っている哀しみ。

ロシアでは受刑者に、 蜘あるいは薔薇など刑に応じた入れ墨を施したらしい。 日本でも江戸時代に同様の風習があり、 入れ墨もしくはタトゥに反社会的なイメージがあるのはそのせいもあるだろう。 男は最後に、 組織の紋章である星の入れ墨を入れる。

決してアクション映画ではないが殺しのシーンは生々しい。 首筋に刃物を当てて、 よくあるパターンだと引く動作とともにカットが変わったりするが、 クロネーンバーグの場合ここでグッと寄ってバッチリ見せる^ ^ そんな残酷なシーン満載にもかかわらず見終わった後味は悪くないので敬遠することもないだろう。 ナオミのファンには今回は少し物足りないかもしれないが。


イースタン・プロミス Eastern Promises (2007イギリス・アメリカ・カナダ)
6/14〜 公式サイト 
監督 デビッド・クローネンバーグ 
ヴィゴ・モーテンセン ナオミ・ワッツ ヴァンサン・カッセル 

関連エントリー :  タトゥ ナオミ クローネンバーグ

6.18.2008

繰り上げ当選? 「雨の翼」


雨の翼 (2008日本) *短編35分 オフィシャルサイト 
監督 熊澤尚人 原案 竹尾麻希 「雨恋」 
脚本 まなべゆきこ 音楽 KUMAMI 
藤井美菜 石田卓也 眞島秀和 郭智博  

ホラーが続いたので、 ここらで一息^ ^

35分の短編でキャストは新人だが、 監督は一流どころを起用している不思議なポジションの作品。 これは 「みんなの映画プロジェクト」 シネマプロットコンペティション2007の入選作を具体化してできた映画なのだ。

シナリオコンクールではなく、 あくまでプロット。 だが、 その重要性はわかる。 とか何とか人ごとのように言いながら、 実は自分もこのコンペに2案応募した^ ^ かすりもしなかったようだが。 。

やっかみ半分で見たこの作品だが、 ベースとなったプロットはグランプリでも特別賞でもない。 経緯はわからないがノミネート作が引き上げられたようだ。 ここでプロット自体も読める。 元のタイトルは 「雨恋」 となっている。 元の方がいいかも・・

世の中に疎外感を持つ女子高生、 高校球児、 今は亡き先生・・ このトライアングルで物語は進むが、 35分ゆえか疎外感の深い部分はわからず、 またプロットからのシナリオ化はプロが担当しているにもかかわらずセリフがどこか嘘くさい。 しかし新人の藤井美菜はソツなくこなしているし、 球児役の石田卓也 (パンをかじってる彼) がいい味を出している。 たわいない会話ほど失敗すると寒くなるものだが、 球児らしいさわやかさに思わずこちらも微笑んでしまう。 やっぱり自分、 スポ根?

想像どおりの展開と結末ではあるが、 一瞬、 グッと来るところもある。
「みんなの映画・・」 というのは微妙にひっかかるコンセプトだが、 みんなが参加できるという意味では新しいかも知れない。 我こそはと思う人は応募してみよう。

シネマプロットコンペティション2008



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6.17.2008

低予算で大絶叫 [REC]



テレビの取材中に事件が起きた、 という設定のフェイクドキュメンタリー。 フィルム代はかからないし真実味はあるし、 ということでこれからもこの手法は氾濫しそう。 本作は "QUARANTINE" (隔離) としてすでにハリウッドリメイクされているが、 オリジナルがようやく日本公開。

出だしはキュートなレポーター役のマニュエラがいい感じで引き込んでくれるが、 事件はすぐには起きない。 それでも徹底したフェイクぶりで、 その力の抜けた感じがこれから起こる出来事への鮮やかな対比になっているのだろう。 現場に駆けつけると一気に緊張が高まる。

揺れるカメラが相変わらず映像酔いさせてくれるが、 本作はさらに '叫び' と 'うなり' で脅かす。 最後には赤外線映像も取り入れて極めつけの緊迫感を演出。 安上がりの 「エイリアン」 という気もちらっとしたが、 十分に楽しませてくれるジェットコースターホラーだ。

[REC]2へつづく・・

[REC] レック (2007スペイン) 6/14〜 公式サイト 
監督 ジャウマ・バラゲロ+パコ・プラサ 
マニュエラ・ヴェラスコ フェラン・テラッサ 

エロチックなゾンビ 「シーバース」


シーバース SHIVERS (1975カナダ) 日本未公開 
デビッド・クローネンバーグ監督 
ポール・ハンプトン ジョー・シルヴァー リン・ローリー 

「スキャナーズ」 「ヴィデオドローム」 「裸のランチ」 「クラッシュ」 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」 そして最新作 「イースタン・プロミス」・・ クローネンバーグという人も非常にオリジナリティあふれる監督だ。 監督の初期のこの作品をついに見た。

ホラー映画の成り立ちを追ったドキュメンタリー映画 "アメリカン・ナイトメア" の中で発見して、 コレ見てないな〜と思いつつレンタルにはないし、 DVDはレア物となっているしで なかなか見る機会がなかった。

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残念ながら自分はVHSだが、 画質の悪さを補ってなお余りある収穫があった。

舞台は孤島に建てられたリゾート・マンション。 70年代の近未来感覚がいい感じ。 しかし夢の住居だったはずの部屋で、 少女が腹を切り裂かれ惨殺される。 犯人は医師であり科学者でもあった男だが、 この後メスでノドをかき切って自殺。 そして少女と親交のあったマンションの男たちが次々と腹部に違和感を覚えるようになる。 マンションの診療医たちが原因を突き止め対処しようとするが惨事は拡大の一途をたどる・・

皮膚感覚、 あるいは内臓感覚と形容された初期のクローネンバーグ、 本作ではパラサイトがモチーフ。 寄生虫を体内に取り込むことで内臓移植の代替技術になると考えた医師が、 やがて人間改造を試みるマッドサイエンティストとなり事件を引き起こした模様。 70年代ながら遺伝子治療や組み替えを先取りしている。

寄生された人間の動きはまるでエロチックなゾンビ。 ロメロの影響なども受けていたのか。 しかしそこはクローネンバーグ、 '当初はポルノとして製作された' との噂どおり、 どんどんエロチックな方向に発展していく。 リン・ローリーというカルト女優が看護婦役で出ているが、 彼女の雰囲気が作品に大きく貢献していることは言うまでもない。 衝突事故にエクスタシーを覚えるという 「クラッシュ」 の序章か、 ゾンビ映画には似合わない感覚のクラッシュシーンもある。

エンディングはプールという、 これまたセクシャルなシチュエーション。 水着でなくシャツなのが逆にエロい? 他のゾンビ物と同じく一見、 絶望的な結末だがクローネンバーグ自身はこれを 'ハッピーエンディング' と語っている。 その真意を考えながら見るのも一興だろう。






 スリザーっぽいね



6.16.2008

何歳になっても、ひとりでは見ないでください 
「サスペリア・テルザ」



「サスペリア」 「インフェルノ」 から二十有余年の歳月を経て、 アルジェントのオジサンがついに魔女三部作を完成させたようです。 主演はもちろん娘。 娘のみならず元妻も出演させるなど、 ホラー界のビジネス的成功者はファミリーなオジサンでもあります。

話はシンプル。 墓を掘ると三大魔女最後の一人マザー・オブ・ティアーズがよみがえり、 世界を混乱に落とし入れようとする。 これを白い魔女が迎え撃つ。

「サスペリア」 から何も変わってないようにも思えるアルジェントの演出を振り返ってみることにしよう。 凶器は刃物や杭などグサッとくるものがいい。 アキレス腱などを斬るとさらにいい!! 懐中電灯で下から照らしたような、 どこかヘンなライティング。 ただ人が立ってるだけなのに、 これがけっこう恐い。 ヒュードロドロ〜という感じの効果音、 プログレッシブロック、 不意の囁き、 雨、 雷・・ これらを網羅し、 かつお客さまを楽しませるテンポなどに気を配ればアナタもアルジェント!

マザーの復活を聞きつけて世界の魔女がローマに集結するが、 魔女たちの態度や表情がワザとらしすぎて笑える。 その中に '東洋の魔女' なんかもいてジュン・イチカワとかいう女優さんがやってますが、 うーんこの雰囲気・・ オジサン最近 「キル・ビル」 や 「ホステル」 見たんじゃない?

いろいろとツッコミを入れながらも、 ときおり勝手に郷愁を感じてしまう。 劇場の暗闇の中で大勢の人がスクリーンの出来事にキャーキャー言ってる、その昔の現実のシーンが甦ってオーバーラップする・・ ネタバレならぬトシバレな話題に発展しがちなアルジェントの最新作。 ロメロといい、 大御所が復活する今日この頃でもある。 次はフーパーか・・


サスペリア・テルザ 最後の魔女 (2007イタリア・アメリカ) 日本公開2009GW予定
MOTHER OF TEARS/La Terza Madre オフィシャルサイト&予告編 
ダリオ・アルジェント監督 
アーシア・アルジェント ダリア・ニコロディ 
サスペリア・テルザ 最後の魔女 [DVD][DVD]

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