手の甲に入れ墨のある男。
彼はロンドンでロシアン・マフィアの運転手をしている・・
これ以上書くとネタバレになりそうなので割愛^ ^ でもこれは書いていいかな、 ヴィゴ・モーテンセンは今回、 フリチンでこの男を大熱演している。
クローネンバーグ x モーテンセンは 「ヒストリー・オブ・バイオレンス」 以来の名コンビだが、 本作もその系譜にある物語と言えるだろう。 新感覚のホラー物を撮っていた監督も今やすっかり巨匠。 しかしながらこのクライムサスペンスは、 やはり一味もふた味も違っている。 派手な演出や VFX 的な処理は一切ないし、 謎解きに焦点が当たっているわけでもない。 淡々と引き込んでおいて、 さらっとロシアの哀しみを見せるのだ。
イースタン・プロミス(=東の約束) というのは公式サイトでも触れられていないようだが、 東欧系の組織による人身売買契約のことを指すらしい。 より良い暮らしを求めて祖国を出た者を待っている哀しみ。
ロシアでは受刑者に、 蜘あるいは薔薇など刑に応じた入れ墨を施したらしい。 日本でも江戸時代に同様の風習があり、 入れ墨もしくはタトゥに反社会的なイメージがあるのはそのせいもあるだろう。 男は最後に、 組織の紋章である星の入れ墨を入れる。
決してアクション映画ではないが殺しのシーンは生々しい。 首筋に刃物を当てて、 よくあるパターンだと引く動作とともにカットが変わったりするが、 クロネーンバーグの場合ここでグッと寄ってバッチリ見せる^ ^ そんな残酷なシーン満載にもかかわらず見終わった後味は悪くないので敬遠することもないだろう。 ナオミのファンには今回は少し物足りないかもしれないが。
イースタン・プロミス Eastern Promises (2007イギリス・アメリカ・カナダ)
6/14〜 公式サイト
監督 デビッド・クローネンバーグ
ヴィゴ・モーテンセン ナオミ・ワッツ ヴァンサン・カッセル
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