1.09.2010

サラリーマンという仕事はありません 
「今日からヒットマン」



武田真治っていつも、 なんかいい。 別にそのケはないし、 理由は自分でもよくわからないが、 誰にでもそういう気に入り方をする人の一人や二人はいるのではないだろうか。 武田君の場合はキャラがあるような ないような、 演技も上手いような そうでもないような。 姿勢がいいような・・ 本当にいいね、 姿勢は^ ^

原作も面白いんだろうけど、 映画もかなり楽しめた。 サラリーマン、 30代半ば、 まだ新婚ムードの残る結婚生活、 郊外に買った家の36年ローンが重くのしかかる・・ そんな男がひょんなことから殺し屋として仕事をしなくてはいけなくなる。 そしてその危機また危機を乗り切るか、 それとも殺されるかという状況に役立つのが、 営業マンとしての心得であったりする。

あたふたしながら、 それでも何とか切り抜ける。 こういう '情けなカッコイイ' 感じって、 あったね。 そうだ 「ダイ・ハード」、 ニュータイプのヒーロー像はここにも受け継がれている。

グラサン、 ライダーズジャケットの武田真治はどことなく 「あぶない刑事」 のようでもあるが、 相手に銃口を向けながら営業電話を受けるあたりは、 かなりウケる^ ^

森下悠里もグッドキャスティングだ。 'チチもまれ演技' に挑戦、 などと宣伝されていたようだが、 確かに もまれてはいる。 でも全体的にはお色気炸裂というより可愛い存在感で、 もしルパン三世の実写版があれば峰不二子でもOK!

ヒットマンのあたふたした心境は、 監督の前作 「イヌゴエ」 のようにモノローグ、 あるいは心の声で表現する部分が多くて最初はイージーに思えたが、 これはこれでありかもしれない。 あたふたしながらも、 いま自分が置かれた状況を必死に生きる。 そんな すがすがしいメッセージは確実に届いたように思う。 最近グチが多くなったと自分自身で感じるなら、 見る価値 大いにありだ^ ^


今日からヒットマン (2009日本) 公式サイト 
監督 横井健司 原作 むとうひろし(コミック) 
武田真治 森下悠里 星野真里 深水元基 弓削智久 
市瀬秀和 黄川田将也 前田健 佐藤二朗 津田寛治 

1.08.2010

あの世もカネしだい? 「鬼月」



シカゴ・ホラー映画祭グランプリとかいう触れ込みだったのに、 見どころと言えばミス・ウーのチャイナドレスぐらいか。 。 とにかく恐がらせ方が下手で、 ショボイものを短い時間見せるだけ。 エグイものを目を背けたくなるくらいに見せてほしいものだ。 弦とかエレビがポロンポロンと鳴るだけの音楽もショボイし、 ショックの瞬間の音もインパクトが弱い。 クレジットにも堂々とグランプリのエンブレムが入っているが、 本当にこれが?

日本のお盆と同じような、 死者が帰ってくるという中国の "鬼月" の風習。 霊へのお供え物と言って、 お札を燃やしたりしている。 死者があの世で困らないようにお金を送っているとのこと。 あの世もカネしだいなのか・・^ ^

中国系の資産家の家にメイドとして派遣された女が、 灰を踏んだり口笛を吹いたり、 鬼月のタブーを次々に冒して霊を怒らせるなどというところまでは面白そうだった。 でも出てくるゴーストのイメージは通り一辺倒だし、 女を追ってくるストーカー男、 あるいはミス・フーの弟や前のメイドの失踪などサスペンスへ振ってくるあたりで どんどんつまらなくなる。 設定自体は悪くない気がしたが、 とにかく演出が下手。 B級にもなれないC級といったところのNGすれすれ作品だが、 よかったらどうぞ^ ^



鬼月 GHOST MONTH (2009) 日本未公開 
監督 ダニー・ドレイヴン 
マリーナ・リサ シャーリー・トウ アキコ・シマ 
鬼月 [DVD][DVD]

ターミネーターX [DVD] サイレントノイズ [DVD] クライモリ デラックス版 [DVD]メイド 冥土 スペシャル・エディション [DVD] 箪笥 [DVD]

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1.06.2010

三度笠! 「彼岸島」



ヴァンパイア・ブームに乗っての映画化か、 いちおうホラーということだが、 そのジャンルには入れないほうがいいだろう。 原作はコミック、 監督は 「火山高」 のキム・デギュン、 日韓合作のソードアクションだ。

地図にはない島、 コンパスもぐるぐる回ってしまうバミューダ・トライアングルのような島が吸血鬼に支配される。 その窮地を、 剣道部の高校生が救いにやってくる。 長いくせに唐突な進行で前半は退屈、 後半の剣技がメインと言える。 吸血鬼になった島の人々はゾンビのような雰囲気で、 何と三度笠をかぶっている^ ^ 他にもプレデターや帝都大戦が混じるが、 見どころはけっきょくのところスピード感のある斬り合いぐらいか。

キャストは知らない人ばかりで、 アイドルというわけでもなさそう。 水川あさみだけは知っていたが、 久々に見た彼女は以前より声が高くなった気がした。 原作はもう少しエロいようだが、 映画はその気もまったくなし。 ただひたすらアクションだ^ ^

不気味な絵の味わいが実写化されることもなく、 ホラーセンス・ゼロと言っていいくらいで、 まあそんな監督さんを選んで製作してるわけだから、 やはりソードアクションとして進行してきたのだろう。 で、 そのソードはどうかというと、 まあそれなり。 悪くはないが、 いまさら飛び抜けて凄いわけでもなく。 。 いろんな話題作あるなかで、 ストンと力の抜けた新作だなあ。 それなりにお金もかかってるようだが、 入る? ^ ^


彼岸島 (2010日本・韓国) 1/9〜 公式サイト&予告 
原作 松本光司 監督 キム・テギュン 
石黒英雄 渡辺大 水川あさみ 山本耕史 弓削智久 瀧本美織 

1.04.2010

夕食は魚ね・・ 「ジョンとメリー」



名作劇場を1本、 紐解いてみた。 「ダーティ・メリー・クレイジー・ラリー」 でも "ケンとメリーのスカイライン" でもなく、 ジョンとメリー^ ^悲恋物語のようなDVDジャケではあるが、 むしろ正反対。 ありふれた日常のNYローカルな物語で、 60年代末のNYに飛んで行けると同時に、 40年以上経っても決して古くなっていない感覚に驚かされる。 日本では80年代以降だろう、 こういう感覚が登場したのは。 "ライト感覚" なんて表現があったな。 あるいは粘着力の弱くなった人間関係。 そんなベクトルの元祖のような映画。

ジョンとメリーというのは、 ありふれた名前の代表として選ばれたのだろう。 バーで出会ってから1日後のラストシーンまで、 お互いの名前も知らないことになっている。 インテリア・デザイナーのジョンはウェストサイドのリバードライブに、 らせん階段で上がるロフトつきのカッコイイ部屋に住んでいる。 何人かの女が転がり込んでは去って行った。

メリーは画廊に勤め、 住まいはイーストサイドで女友達とルームシェア。 犬連れの多い街で、 通りの時計は止まったまま、 刺殺は週1件程度と彼女は話す。 つきあった男は既婚者ばかりだったから、 帰る時間を気にしなくていいジョンの家では、 ふと昼寝などしてしまう。

ドラマの大半はジョンの部屋で進行し、 お互いの回想シーンが交互に入る。 二人は、 再び傷つくのを恐れてストレートには接近できない。 朝食にはオーガニック店で買った卵と美味しいコーヒー。 ブラスバンドのLPを聴き、 ランチにはミートパイ。 料理はすべてジョンが作り、 料理する男は当時としては物珍しがられたりする。 じゃ夕食は魚ね、 と口走ったメリーは、 それが長年連れ添った夫婦のような会話であることに照れる。

モデルの元カノからの電話、 突然の雨。 メリーはここも自分の居場所でない気がして、 バスルームの鏡に電話番号を書いて部屋を後にする。 ジョンは元カノのパーティに顔を出すが、 やはりはそれはもう過ぎ去った時間に過ぎない。 イーストサイドにタクシーを走らせるが 正確な住所がわからないので、 彼女の話に出てきたような場所を徘徊する。 だが彼女は見つからず・・。

若いダスティン・ホフマンは、 男ながら あらためてシネマトジェニックだと思うし、 このミア・ファローはファニーよりキュート多めで みずみずしい。 レコードは当然ながらアナログで、 携帯電話もない。 にもかかわらず都市型生活者の機微、 映画のようにはドラマチックに展開しない恋、 そういうものを映画にした最初の作品かもしれない。 これが1969年の映画なのだから、 よく考えれば かなりスゴイ。 「卒業」 の2年後、 あるいは 「ローズマリーの赤ちゃん」 の1年後にこんな映画があったのだ。


ジョンとメリー John and Mary (1969)
監督 ピーター・イエーツ 音楽 クインシー・ジョーンズ 
ダスティン・ホフマン ミア・ファロー 
ジョンとメリー [DVD][DVD]

 結婚しない女 [DVD] グリニッチ・ビレッジの青春 [DVD] ホット・ロック [DVD] ハリーとトント [DVD] ラスト アメリカン ヒーロー [DVD]

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1.03.2010

ノルウェーの森 HIDDEN/Skjult



新年早々は名作劇場で攻めようかと思っていたが、 多少お疲れモードなのか、 ホラーを先行させてしまった^ ^ 海外のホラー映画祭などでチョイ話題のノルウェー産ホラー。 本国でも美術などが評価されている模様。

村上春樹原作のあの 「ノルウェイの森」 がなぜか今頃映画化され、 今年12月に公開予定となっているが、 それとはまったく関係ない。 ややこしいエントリータイトルにしてしまったが、 いちおう本物のノルウェーの森で撮影されているわけなのでご了承を。

出だしからショックホラー的な懐かしい雰囲気の '脅かし' がいくつか飛び出して、 つかみはOKと思っていたら、 つかみだけだった^ ^ それ以降は心理的な要素の強いサスペンスホラーとなる。

幼少の頃、 虐待を受けて家を飛び出した少年。 森を抜けるとトイレ休憩中の少年と遭遇するが、 両親が乗っている停車中のクルマにトラックが突っ込む。 二人の少年の目の前で炎上するクルマ・・

20年ほどの歳月が流れ、 母の死を知らされた男は初めて故郷に帰る。 おぞましい母親が本当に死んでいるのか念入りに確かめる。 家を相続するが、 辛い思い出しかないのでガソリンをかけて燃やそうとする。 男はあの時の少年がどうなったのか、 いつも気になっていた。 追いかけてきた母に捉えられ、 自分の身代わりになったのではないかと。

男が帰省してから起きる行方不明事件。 犯人は母の死とともに解放された、 あの時の少年ではないかと男は考えた。 少年は滝に落ちて死んだとされていたが、 男は古い家の隠し部屋で、 そして森の中で、 赤いパーカーの男の影を見る。 最後に男は、 無残な姿となって成長した少年と再会するが、 警察のヘリコプターは崖の上に一人の男しか確認できなかった・・

正確な発音もわからないPål Øie監督だが、 ノルウェーでは中堅の監督なのだろう。 確かな演出に独特の感覚も滲ませる。 点いたり消えたりするライトの下でのシーンや、 ゆっくりとしたフォーカスの移動。 例えば男が画面前方にいて、 背後に女が現れるが、 すぐにフォーカスは女に移らずにピンボケの状態。 その後ゆっくり女にピントが合うが、 その数秒が妙に不気味。

主演はノルウェーのミック・ジャガーか。 ホテル受付のミステリアスなノルウェー美人が何なのかはイマイチよくわからなかったが、 幻想的な味わいには貢献しているのだろう。 全体に非常に微妙なポジションの作品、 何かのはずみで公開されるか、 DVDスルーか、 あるいは日本版が作られることは永遠にないかもしれないが、 とりあえず今年の初エントリーだ^ ^




HIDDEN/Skjult (2009ノルウェー) 日本公開未定 
監督 Pål Øie 
クリストファー・ジョナー セシール・A・モスリ カリン・パーク 

1.01.2010

孤高 2010

昨日、 渋谷を歩いていたら、 バリバリにゴスでキメてる外人さん (♀) 二人を見かけた。 一昔前のビジュアル系なツンツン立てたヘア、 黒い口紅、 長いスカート、 15cmくらいの底上げブーツ・・ そんなブーツを履いてあの身長だから、 それほど高くはない。 にもかかわらず、 やたら目立ってる^ ^ それは目立つというもんだが、 たとえ渋谷でも目立つのは意外と簡単なんだと、 あらためて思ったしだい。

恐らくは彼女らにしてみれば、 クールジャパンでキメて、 クールの聖地を歩いてるのだろう。 これがアメリカのウォルマートなら、 ちょっとやそっとでは目立たない^ ^ 同調圧力、 この国にはそういう見えない決め事が、 若者の聖地にさえ働いているのだ。 その中で彼女らは、 ようするに浮いているのだ。 渋谷にそういうセンスは似合わないと道行く人は思っているのだ。 だが誰がそんなことを決めた? ゴスなら原宿って。

日本で歓迎される目立ち方は、 半歩進んでること。 一歩は進んじゃダメ^ ^ 同調圧力に反抗する場合も、 みんながそろそろ それをやめにしないかと感じているベストなタイミングで、 半歩先にそれを実践する程度がカッコイイのだ。 でも俺は浮いている奴が好き^ ^

半歩なんてシンキくさいこと言わずに、 2歩でも3歩でも、 5年でも10年でも先に行ってしまえ! 人生短いんだから、 遅い奴に合わせる必要なんてまったくない。 浮いてると言わないで、 こう表現しよう。 "孤高" ・・ ^ ^

空気読めないとかいう表現も、 もう終わり。 そう言う奴らに、 同調を強要する力なんて もうないのだから。 さあ2010年、 どんな孤高な映画、 孤高な人たちに出会えるか。 自分はどれだけ孤高であれるか。 それだけを指針としていこう。 貝殻で強化ガラスを壊したラッコのように^ ^ » ヤヨイ ♀ 15才