4.14.2013

やっかいなものくっつけて 「ふがいない僕は空を見た」



これ、 なぜか珍しく原作を読もうと思ってた。 けっきょく読まなかったけど^ ^ 映画化されて、 長めとは言え2時間ちょっとで一通りの内容が知れて、 それはそれでいい。 しかし感想としては、 言われているほど赤裸裸でもなく、 やや説教くさく、 登場人物の誰にも感情移入できず、 常識的に共感する部分もあるが、 陰気な日本的世間だけがじっとり重く、 最後の "お前、 やっかいなものくっつけて生まれてきたなあ" のセリフだけ少し笑って爽やかに見終えられたのは、 タナダユキ監督のセンスだろう。

日本映画なんで、 当然、 日本に必要な情報があるのだろうが、 自分に必要なものはなく、 もっとも不快度が高まったのは、 映像流出後しばらくの引きこもりがあって、 それでも学校に戻ってくるタクミ。 "ムラマサさま~" とからかわれて、 どうするのかと思えば、 引きつった笑顔で応戦する。 これが気に入らなかった。 殴りかかって行けということではないが、 そういう処世術を学んだだけか、 という気がした。

タクミの友だちの福田君にしても、 マインドがバラバラなのは環境ゆえしかたないとしても、 それを統合して方向づけるものが大学受験しかないというところに、 何とも言えない閉塞感を感じた。

タクミの母である助産婦も、 ふがいない夫に金を渡し、 極貧の福田君に弁当を届けたりする。 どうしようもない男どもを裏から支えるのは日本的母性という原作者の頭にある構図が見え隠れし、 命が大切と説きながら、 その命が輝く瞬間を語れない。

不妊に悩む夫婦というわかりやすい設定を置き、 当人同士の問題解決の姿勢以前に、 孫を心待ちにする姑からの干渉を描くのは一昔前の昼メロのようだ。 "悪いのは私だけ?" との不満を姑には直接ぶつけず、 コスプレも逃避の手段にすぎす、 最後は治療のためにアメリカに行くという。 そういう展開はどうでもいいが、 マンションのドアに "ど変態コスプレ主婦" と落書きされているのをそのままにして去るのも気に食わない。 それは業者がやるからとか、 書いた奴のせい、 とかはどうでもいい。 きっちり後始末して行け。 それは自分の手でやれ。

かなり合わない原作だったのに何を間違えて読もうと思ったのか、 とにかく時間が節約できて助かったよ。


ふがいない僕は空を見た (2012日本) 公式サイト
監督 タナダユキ 原作 窪美澄 
永山絢斗 田畑智子 窪田正孝 小篠恵奈 田中美晴 
三浦貴大 山中崇 銀粉蝶 吉田羊 原田美枝子 

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