12.17.2011

神様ヘルプ THE HELP



たまには 'いい' 映画も入れとかないと・・ ということで、 賞取りの話題もちらほら聞く このへんを見てみた。 いかにも 'いい映画' という感じで持って来られると敬遠しがちな自分としては、 できるだけ先入観のないところで早めに見てしまうのが吉かと。

いい映画と言っても難病ものでもなければ説教くささもないので ありがたいが、 いまどき黒人問題が扱われていた。 しかし黒人の大統領が出たからと言って "いまどき" にしてしまうほど問題は軽くないのだろう。 舞台は60年代、 まだ大半の黒人女性はメイドあるいはヘルパーになるしかなく、 またおおかたの白人女性も誰かの妻に収まるしかなかった。

そんななか23才のスキーターは作家を志し、 黒人のメイドたちからリアルなエピソードを聞き出すことで本を出版する。 彼女自身も黒人のメイドに育てられ、 落ち込んだときには励まされ、 実の母以上に近しい存在だった。 そんな彼女がエピソードを聞いたメイドも小さな女の子の面倒を見ていて、 子どもを抱いたことすらない実の母より慕われていた。 自分の本当の息子を差別的空気の中で失ったというのに。

公民権運動のニュースがテレビに流れるとスイッチを切られるミシシッピでは、 KKKや威圧的な態度に出る白人もいる。 黒人の教会は "汝の敵を愛せ" と教えるが何をしてくれるわけでもない。 こう書くと固い社会派のドラマに聞こえるが、 そこはやはり今の映画であって、 意外に軽やかに変化は訪れる。 作家志望のスキーターをはじめ、 少し浮いた白人に最初から支配者意識はなく、 南部の人の多くも、 問題がないわけではないと思っていたことが伺い知れる。

エマ・ストーン演じるスキーターは地元の新聞社での面接の際に、 推薦状は? と聞かれて一通の手紙を取り出すが、 これが何と他社からの不採用通知。 今回は見送らせていただきますが、 才能はお持ちです、 みたいな文面を逆利用する図太さで採用される。 ドラマが進むにつれスキーターより、 ともすればマリリン・モンロー風なセリアの方が印象的になったりもするが、 あの時代の南部にタイムスリップして、 この物語をいま体験しているような軽妙な臨場感がある。

日本公開は来年春先とのこと。 新しい生活を始めようとする人にとっては何かしらの はなむけのメッセージとなる映画ではないだろうか。 乞うご期待。




ヘルプ 心がつなぐストーリー THE HELP (2011) 日本公開2012.3/31
監督 テイト・テイラー  公式サイト 
エマ・ストーン ヴィオラ・デイヴィス オクタヴィア・スペンサー 
ブライス・ダラス・ハワード ジェシカ・チャステイン アリソン・ジャネイ 
シシー・スペイセク 

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