11.04.2011

フォトショップのような腹筋 CRAZY, STUPID, LOVE



またしてもアホな邦題を背負って、 まもなく公開されてしまうラブコメ。 たかがラブコメに目くじら立てることはないかもしれない。 原題自体が "クレイジーでアホな愛" なのだし。 。 いや問題は邦題のボキャブラリーの貧困さもさることながら、 こんな邦題になることで恥ずかしくて話題にすらできないということなのだ。

ねえ 「ラブ・アゲイン」 って映画見たんだけど・・ 「ラブ・アゲイン?」 って想像するだけで寒い。 興行元はいかなる理由で含みをスパッと切り捨て、 このタイトルで行きましょ、 ってことができるんだろ。 そのほうが当たるってデータでもあるのだろうか。 こんな邦題で当てられてしまうのは、 日本の観客としていかがなものだろう。

しょせんラブコメ以上でも以下でもない作品ではあるが、 とにかく豪華キャスト。 一人で主役を張れるクラスの人が何人? しかも面白いと思ったのは、 多少キャラのカブる俳優・女優をダブルで立てて、 かつ使い分けているところ。 まずスティーブ・カレルとライアン・ゴズリング。 ややカブる二人が、 一方は妻しか女を知らない一途な男と他方は、 実業家だった父の遺産の豪邸で優雅に暮らし、 夜な夜なバーに繰り出すプレイボーイとに使い分けられる。

ジュリアン・ムーアとマリサ・トメイはカブってないかもしれないが、 ともにれっきとしたとした主役級熟女の二人を、 高校時代に結婚した早婚の三児の母と寂しげな女教師とに使い分ける。 エマ・ストーンとアナリー・ティプトンという、 ようするに昔で言うところのカワイコチャンを、 ともに誰かのソウルメイトとして いい具合に紅二点使ってしまう。

エマ・ストーンもいいが、 アナリー・ティプトンがよかったなあ。 カレルの13才になる息子のベビーシッターであり初恋の人 兼ソウルメイトという役柄なのだが "America's Next Top Model" というオーディション番組出身の注目株をいち早く起用、 そのスレンダーな肢体とやや天然なムードが印象的だった。

こうして整理してみても "アゲイン" なのはカレル夫妻の場合だけなのだから、 この邦題は的を得てもいない。 CRAZY, STUPID, LOVEくらいの英語はこの作品がターゲットとするであろう知的な層にはほぼ100%理解されるはずだから、 社内公用語を英語にするのもいいが、 とりあえずアホな邦題はやめにしないか。 エントリータイトルはシャツを脱ぎ捨てたゴズリングにストーンが放つセリフより。




ラブ・アゲイン (2011) 日本公開11/19 公式サイト・予告 象のロケット 
CRAZY, STUPID, LOVE
監督 グレン・フィカーラ+ジョン・レクア 
スティーブ・カレル ライアン・ゴズリング ジュリアン・ムーア 
エマ・ストーン アナリー・ティプトン ジョナ・ボボ 
ジョン・キャロル・リンチ マリサ・トメイ ケビン・ベーコン 

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