3.07.2011

ハリーじいさんの静かな行動 「狼たちの処刑台」



DVDになりたての 「悪人」 を見たものの煮え切らなかったので、 それはエントリーせず口直しにこれを。 コテコテの邦題がついているが "狼" は 「狼よさらば」 に起因しているのだろう。 復讐、 あるいは世直しの物語だ。 原題はシンプルに "ハリー・ブラウン"。 これが けっこうよかった。

ハリーはかなりのジイさんで、 長年連れ添った妻を亡くしたばかり。 妻の入った隣の墓にはクマのぬいぐるみが添えられていることで、 かつて幼い娘がいたことがさらっと伝えられる。 いまや連れはチェスの相手で親友のレンだけとなった。 元海兵隊という設定になっているようだが、 けして血なまぐさい男ではない。 なにせ、 もう年だ。

しかし静かな晩年を送るには、 このあたりは治安が悪すぎた。 ジャンキーやギャングがたむろし、 レンは不安をこぼしていたが気づいたら時すでに遅し、 親友は無惨な死に方で先立った。 警察の動きは鈍く、 また警察内の出世争いに阻まれてトンチンカンな捜査が続く。 ハリーとて積極的に世直し行動に出たわけではなく、 襲われた際、 反射的にマリーンでの訓練が蘇っただけ。 しかしこれで、 ハリーの中の何かに火がついた。 密売人の後を付け銃を入手、 一人 狼の群れの中に飛び込んだ・・

上半身裸の密売人はハンパなくキモく、 不良少年たちに取り入るチンピラも少年の一人にフェ○させるなどキモく、 捜査課に新しく来た上司も自分の手柄しか頭にないキモい男であった。 そんななか単刀直入なハリーの行動には胸のすく思いがする。 しかし何ぶん年なので、 敵を追いかけている最中に息を切らして倒れてしまったりする^ ^

年なので 「タクシードライバー」 や 「ダーティハリー」 ほどの派手さはないが、 瞬発的には なかなかイケるハリー・ブラウンであった。




狼たちの処刑台 Harry Brown (2009イギリス) 日本未公開 
監督 ダニエル・バーバー 
マイケル・ケイン エミリー・モーティマー リーアム・カニンガム 
ショーン・ハリス デビッド・ブラッドリー 
狼たちの処刑台 [DVD][DVD]

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