2.23.2011

KILL IS KISS. 「ON AIR 脳・内・感・染」



何とも形容しがたい邦題だが言えてなくもないので、 文句を言うことさえも封じられた気分・・ 原題はポンティプール、 実在するカナダの小さな町の名前だそうだ。 ともすれば "パンティプール" とでも読めそうなところがポイント。 "変わったゾンビ映画" と各所で紹介されている通り、 今あるゾンビ映画とは一線を画しているが、 ゾンビ映画が出だした頃の、 マヌケな動作で墓石を引き上げようとするようなゾンビに近いテイストがある。

ラジオ局での物語は初期のジョン・カーペンターを彷彿とさせる。 一貫してラジオ局の小さなブース周辺で撮影されたワンシチュエーション映画で 低予算のほどが伺い知れるが、 予算の足りない分は知恵を絞って・・ という路線か。 カナダの冬は "地の底" のように寒いそうで、 冬は嫌いだとこぼす男がミスターDJ。 その個性ゆえ大きなラジオ局をクビになって小さな町に流れ着いてきたが、 ここでも女プロデューサーとの駆け引きが続く。

カメラが捉えるのはラジオ局内の映像だけだが、 中継や電話の音声によって町の異変がレポートされる。 それはそれなりにイメージを喚起する。 人々が群れになってパレードしているとか、 それは反対運動だとかテロだとか囁かれるが、 誰も実態を知らない。 やがて、 どうやら伝染病のようなものであることがわかるが、 感染ルートは '言葉' だと医師が告げる。 言葉? ある特定の言葉がトリガーになって伝染する。 それは音声でも文字でもよく、 意味を解した瞬間に感染するらしい。 しかも英語限定。 だからとりあえずフランス語で話そうと、 このへんもカナダらしいフックで "変わったゾンビ映画" は本領発揮。

かといって濃密な言葉遊びやハイブローな引用があるかと思えばそうでもなく、 おかしくなり始めたプロデューサーに "KILLL IS KISS" と意味の置き換え、 意味不明な語りかけをすることで発病を抑えてしまう。 よし、 これをみんなに伝えるんだとの使命感に燃えて放送を再開したところ・・。

正直、 大して面白くもなかったが^ ^ 暗い冬の朝、 小さなラジオ局に出勤する気分は味わえる。 そんなもん味わってどうするのかって? "これは世界の終わりなんかではない ただ今日という一日の終わりにすぎない" 的な気になれて、 自分などは何となく楽しいのだが。 。  » 参考文献^ ^



ON AIR オンエア 脳・内・感・染 PONTYPOOL (2008カナダ) 日本未公開 
監督 ブルース・マクドナルド  原作 トニー・バージェス 
スティーヴン・マクハティ リサ・フール ジョージナ・ライリー 
ON AIR オンエア 脳・内・感・染 [DVD][DVD]

クレイジーズ [DVD] リーカー 地獄のモーテル [DVD] リーカー ザ・ライジング [DVD] 30デイズ・ナイト2:ダーク・デイズ [DVD]

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