12.30.2009

激しくブレる望遠 「白夜」



年末ネタかな。 。 小林政広監督の新作と言っても誰が見るんだろう。 あ、 俺か・・ あとは主演のお二方のファンか。

どうも画質がビデオっぽい。 それをかなりの望遠レンズで、 手ぶれ込みで見せるシーンが多い。 演出でもあり、 ビデオ画質をカバーするかのようでもある。 ワイドレンズのシーンになると、 いきなりテレビドラマのような空気感。 ビデオが悪いとは言わないが、 ようするに低予算なんだろう。

その昔ギャガが買い付けだけでなく製作を始めようというときに、 プロデューサー面接というものを受けたことがある。 映画のプロデューサーにとって何が一番重要かね? と偉そうなオッサン面接官に聞かれ、 一言では答えかねていたら落ちてしまったが、 彼が言うには "企画力" とのこと。

その後、 苦戦する興業や製作の中で、 小林監督なんかを引っぱってきて、 製作費は最低に抑えてリターンMAXを狙う。 これがまさにその企画力というものなんだろう。 監督にしてみれば思い入れのあるストーリーだし、 予算がなくても、 あてがわれた出演者でも引き受けることだろう。 公開時は噂も聞かず、 曖昧なターゲティングでクリスマスにDVDをリリースしてくるようなセンス。 これぞギャガの言う企画力だ。

で、 けっきょく誰が見る? ロマンチックな映画に見えてもクリスマス向きじゃないよ。 どうせならお盆だろうね^ ^

話自体は悪くないし、 多少棒読みでも出演者に悪気はない。 もう少し説明セリフを削ってもよかったかなと思う程度。 リヨンでロケをしながらも、 ゲリラ撮影のようなマイナーさも良しとしよう。 だがフランス映画に恋した監督の成れの果てを見るような興ざめ感、 これはプロデュースの責任だろう。 気恥ずかしくてもいいから酔わせてほしい。 コンテンツをないがしろにしたコンテンツビジネスなんて、 2009年とともに、 白夜の約束とともに、 永遠にさようなら・・


白夜 (2009日本) 公式サイト 
原作・脚本・監督 小林政広 
眞木大輔(EXILE) 吉瀬美智子 

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