12.16.2009

夫婦でカントク 「幸せのセラピー」



ジェシカ・アルバ目当てで見たが、 デビュー当時のように見事な端役だった。 でも、 こんな役のほうが可愛い・・ って言うと怒られそうだが。 ジェシカ抜きにどうかというと、 悪くない。 非常に微妙な路線の作品ではあるが、 なんとなく楽しい時間が過ごせた。

逆タマ男ビルは、 義父の銀行の重役ではあるが、 どこへ出てもコネ入社扱い。 うらやましい身分のノンワーキングリッチだが、 本人はそのことに甘んじているわけではなかった。 投資と称してドーナツショップのフランチャイズとコンタクトを取り、 義父への依存を捨ててドーナツ屋を始めようと考えている。

学生に職場を体験させる 'メンター制度' で15才の少年と知り合いになるが、 ビルの心はある意味で少年のまま。 銀行マンになりたかったわけじゃない、 かと言って本当はドーナツ屋になりたいわけでもない。 だがビルは15才ではない。 鏡に映るのは白髪が目立ち、 メタボ腹をかかえる中年男なのだ。 それでもまだ何かを探している。

そんな精神年齢のビルだから、 少年とはウマが合う。 いっしょにマリファナを吸い、 ショッピングセンターを駆け回ったりする。 そんな折り、 妻の浮気が発覚。 それでもビルは妻を愛していた。 これまでの人生を清算するか、 妻を取り戻すか、 あるいは自分自身を本当の人生を取り戻すか。

アーロン・エッカートって こんなキャラじゃなかったと思うが、 ここでは情けない大人子供ぶりを好演。 彼の前作になぞらえた つまらない邦題がついているが、 セラビーは何の関係もない。 "不器用な男" のコメディみたいなコピーがついていたが、 これもかなり違う。 不器用と言うなら、 自分の気持ちに嘘をつくことに不器用な男のCHANGE物語 "ビルに会え" だ。

ジェシカは可愛かったが、 妻役のエリザベス・バンクスもけっこうイケてて、 彼女自身も自分探しに迷える子羊で、 ビルの物語でもありあながらも夫婦の問題もいいバランスで扱われている。 それもそのはず、 本作は実の夫婦がペアで監督。 微妙なコンセプトをリアリティ番組のように成立させている。

物語は新たな一歩を踏み出すところで終わっているが、 その先はあいかわらず見えないままで、 ペーソスと爽やかさだけを残す '大人の青春映画'、そんなふうに言えるかもしれない。 大人だって、 15才の頃のように迷っていても全然かまわないのだ。



幸せのセラピー MEET BILL (2007) 日本公開2009 公式サイト 
監督 メリッサ・ウォーラック+バーニー・ゴールドマン 
アーロン・エッカート ジェシカ・アルバ エリザベス・バンクス 
ローガン・ラーマン ティモシー・オリファント トッド・ルイーソ 
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