モノリす.. ｢スタンリー★キューバ｡｣

学生時代､ 映画研究会的なサークルに少しの間だけ入っていたことがある｡ 自主製作をやるというのでそれなりに楽しみにしていたが､ 先輩がおもむろに出してきたシナリオには唐突にスパゲティに顔を埋めるシーンなどが出てきて､ ようするにキューブリックのパロディだと言う｡ ニヤついた顔で得意げに話す様子を見ていると､ なぜか無性にムカついてきて､ すぐにサークル活動は辞めてしまった｡ それ以来､ 映画製作のまねごとをやる機会は失われてしまったが､ この作品も商業映画のくせに全くの同類だ｡

そもそも作品数の多くないキューブリックはすぐに引用元に困ることになるし､ どんなにがんばっても表面的な引用にしかならないに決まっている｡ 先の自主映画の時代は 'オマージュ' なんて便利な言葉もなかったように思うが､ 本作の監督もキューブリックが好きなのだろう｡ でも､ あんた以上にキューブリックを愛する人は星の数ほどいる｡ 何の特権でこんなものを作ってよしとされるのだ｡

1時間強しかない本編なのに退屈きわまりなく､ 5時間ほどに思えた｡ ｡ 引用以外に何かあるかというと何もなく､ 引用のしかたも先の自主映画同様にいきなりで取って付けただけ｡ もしかして面白いかもと見てしまった自分に自己嫌悪すら覚える どうしようもない作品｡

唯一印象に残った部分があるとすれば､ キューバの魂を奪いにやってくる ｢時計じかけ･･｣ 風のステッキを持った三人の男は､ 最初は弁護士､ だがミッションに失敗して生まれ変わるとパパラッチに格下げされている｡ さらに失敗したらテレビ司会者に格下げされるという｡ よくわからないランクながら微妙に納得した｡ 以上､ 時間とお金をムダにしたい方 必見！




スタンリー★キューバ｡ STANLEY CUBA (2007) 日本未公開
-偉大なる映画監督に間違われた意外なる男-
監督 ペール･アンダーソン　
マイク･バービグリア　メリッサ･シルバー　ケイシー･マール　
[レンタルのみ]