1.18.2009
終着駅は遊園地 「BOY A」
くまなく新作をチャックしてるつもりだが、 これはなぜか完全ノーマークだった。 単館系好きのお友達から教えてもらったときには 公開はすでに終わっていて、 半年後のDVDリリースまで待てなかったので海外版で見た。 イギリス英語で友達に呼びかける言葉 mate というのが最初、 何言ってるのかわからず多少苦労したが、 苦労に見合う作品だった。 まだ公開中のエリアもあるので、 近くでやっていたらぜひ足を運んでほしいが、 劇場数も少なく公開期間も短い単館系作品ならなおさら、 もう少しDVDのリリースを早くしてもらえるとありがたい。 (と言ってたら、 そろそろDVD出ます^ ^)
少年犯罪と更生が描かれていて、 難しいテーマなので簡単に答は出せないが、 犯行は結果であって、 原因はこの社会の上の方に無意識のまま浮かんでいるのではないか、 そんな認識を新たにするが、 サスペンス風の味付けが邪魔をしている気がしなくもない。 だから本当の悪を告発するまでには至らず、 悲しい運命に弄ばれる少年Aの内面描写に力が注がれる。 その要となっているのはアンドリュー・ガーフィールドの演技。 少年の無垢な瞳をうまく覗かせているのはメソッド的かもしれないが、 クロースアップで狙った時間を持てあますことなく、 刻々と変化する感情を投影して移ろいゆく表情、 感情が全身に染み出て身震いするかのように表現されるテンション・・ 楽しみながら演じているような余裕すら感じさせて圧巻だ。
カウンセラー役のピーター・ミュランは、 誠実なイギリスの父親を体現して いい味だが、 彼も実の息子とはうまく行かず、 罪を犯し やり直そうとする青年と、 法には触れていないが 倦怠と悪意を内側に充満させた存在の対比が非常に効果的だったと思う。 積み重ねられるエピソードと悲劇の予感、 イギリス映画にしては明るい映像が 悲しさを増幅しているのかもしれない。 終着駅が遊園地だったりするのも、 少年のまま刑期を終えて出てきた心を象徴して なお悲しい。
BOY A (2007イギリス) 日本公開2008 公式サイト&トレーラー
監督 ジョン・クローリー
アンドリュー・ガーフィールド ピーター・ミュラン ケイティ・ライオンズ
ショーン・エヴァンス
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