4.16.2012
大草原の小さな地下室 「テイク・シェルター」
シェルターには甘い響きがあると思う。 子どもの頃の秘密基地のように。 しかしそれが実践向きかというと、 しょせんは 'ごっこ' あるいはプラシーボ効果しかないのも事実だろう。 世の中を見渡すと、 そんなシェルターがあふれている気がしてならない。 成分表示、 賞味期限表示・・ 保険も保証書も常識も。 映画もある種、 心のシェルターでしかないのかもしれない。
アメリカの田舎町。 広々とした大地が広がっているが、 男は黒い雲を見てしまう。 嵐の予感は、 男に借金してまで地下シェルターを作らせる。 みなに哀れんだ目で見られ、 男の母は彼が子どもの頃、 精神病と診断されているので自分もそうなのかと考える。 やはり専門医に見てもらって治療を、 と思った矢先、 本当に黒い雲が・・。
カンヌで批評家賞、 その他インディペンデント・スピリット賞などを取って話題になっていなければ、 さらーっとDVDスルーされそうな静かな作品。 最近はVFXも廉価になってきたのか、 渦巻く雲や異常な飛び方の鳥は象徴的なビジュアルになっている。
イザというときは妻子を守りたいと自分なども思うが、 本当のところ何ができるのだろうと不安になることもなくはない。 それでも楽天家の自分には縁遠い、 備えあっても憂いあり?な映画か。
テイク・シェルター TAKE SHELTER (2011) 3/24~ 公式サイト・予告 象のロケット
脚本・監督 ジェフ・ニコルズ
マイケル・シャノン ジェシカ・チャスティン
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