12.13.2011

コイ・ツミ 「恋の罪」



日本の映画館で見てもどうせボカシが入っているだろうということで、 海外版のDVDで見た。 しかし聞くところによると映画館でもボカシはないらしい。 さすが日活? 反対にイギリス版では冒頭の水野美紀のヌードがカットされているらしい。 どうりで存在感が薄かった。 。

理由はよくわからない。 検閲の理由など考えてもしかたないが、 作品が不完全になっている印象は受けない。 水野は主役としてクレジットされているのに、 裏の主役は神楽坂、 富樫かなとも思える。 日本版を見る機会があれば検証してみてもいいが、 2回見る気がするかどうかは微妙なところ。

それにしても園子温のテンションは落ちておらず、 やはりすごい一作だな。 DVDで見てると途中でふと止めて飲み物を取りに行ったり平気でできるのだが、 それが止められない。 止めても猛ダッシュで戻って来るだろう。 たくさん映画を見る方だと思うが、 こうした作品は意外に稀であり、 感想文を書く以前の素直な評価がそこに表れる。

園監督は映画を、 コクトーのように映像あるいは音による詩と考えているのかもしれないが、 自分にとって映画は "見せ物" であり、 その本質は "恐いもの見たさ" だから、 女の心の奥を描いたらホラーになった、 で ぜんぜんかまわない。 でも女の人が見て実際にどう思うかはいろいろと聞いてみたいところだ。

まあ結局のところ個人差が性差を埋めてしまうかもしれないが、 自分的に気に入ったのはラスト近くの海辺での何気ない?シーンであり^ ^ あるいは試食のソーセージがだんだん大きくなるところとか。 。 メインビジュアルも水野美紀のアップにするとサスペンス劇場みたいなので、 海外版のセーラー服の方がキャッチーに思える。 Guilty of Romanceという英題は、 洋画のさまざまなヘンテコ邦題と対極にあってシンプルで上手いと思った。


恋の罪 Guilty of Romance (2011日本) 11/12~ 公式サイト・予告 象のロケット 
監督 園子温 
神楽坂恵 冨樫真 水野美紀 大方斐紗子 津田寛治 

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