12.13.2011

命の残り時間が腕に表示され・・ 「タイム」



朝 目覚めて、 キッチンへ行くとそこには若く美しい女が。 ティンバーレイク演じるウィル・サラスは、 その女に声をかける。 「おはよう、 母さん」 ・・ このへんのツカミはなかなかいい。

時は金なり、 とはよく言ったもので、 ニコル監督の新作はまさにこれを地でいくシンプルな発想。 肉体は25才以上には老化しないという近未来の世界で、 人々は電子マネーのように自分の人生の残り時間をチャージしたり、 消費したり盗んだり、 分け与えたりする。 金持ちは永遠に生き、 貧乏人は早死にする。 しかも猶予も自己破産宣告も会社更生法もない。 0になった瞬間に命は止まる。

時間=通貨となった世界は、 当然ながらそれを作った者がいる。 金持ちのタイムゾーンへ潜入すると、 そこはゆったりとした世界で誰も急がない。 急いでいるのは貧乏人だけ。 まさに貧乏暇なし。 。 しかしこの '永遠' に疲れて自ら死を求めるものもなかにはいるし、 永遠を退屈と感じてリスクを求める者も現れる。

サラスはある男から100年分の寿命を譲り受け、 それをギャンブルで三桁に増やす。 しかし、 そんなことで喜ぶサラスではなかった。 残酷な時間切れで母を失い、 友を失った男の願いは '永遠' を破壊することだった。 支配者の娘を誘拐するが要求には応じられず。 そんなパパにムカついた娘もサラスとともに破壊をめざす。

娘可愛さに監視する父だが、 いざとなれば身代金 (時間) も出さないのは矛盾してるし、 そもそも命が永遠なら いくらでも子づくりに励めるんだから、 親子の愛の形すら変わってしまう気がするのだが、 そんな細かいことはさておき、 シンプルな発想、 アンドリュー・ニコルらしい世界観とバランスのいい娯楽性で楽しめる。

なぜ25才から老化しないか、 時間のデータと生命はどのようにコントロールされているのかなどのシステム的な解説はほとんどないが、 腕に光る逆算時計、 腕を握りあって時間を奪ったり与えたりするアイディアは効いている。 日本公開は来年2月とかなり近未来だが乞うご期待。


タイム IN TIME (2011) 日本公開2012.2/17 公式サイト・予告 
監督 アンドリュー・ニコル  象のロケット 
ジャスティン・ティンバーレイク アマンダ・セイフライド キリアン・マーフィ 
オリヴィア・ワイルド マット・ボーマー ヴィンセント・カーシーザー 

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