10.22.2011
一人芝居 THE BEAVER
ジョディ・フォスターが監督する作品で、 こちらも 「ツレがうつに」 なる。 多少違うのはビーバーの人形を、 仮面ライダーオーズの真木博士のように腕に乗せることで病気に対処する点だろう。 そしてこちらでは "ガンバらない" どころか、 うつでありながら倒産寸前の会社を蘇らせ、 さらには家族と離れ、 一人孤独になって本音の自分に帰ることで克服してゆくという点か。
目を充血させてイビツな力演を見せるギブソンに対し、 冷たく常識的に振る舞うフォスター。 そうした演技のバランスと同様のニュアンスが演出にも見られるが、 ある意味では方向の定まらない映画という印象も受ける。 ヒューマンなのかと思えば正反対だし、 笑わせたいのかシリアスなのかわからないところがある。
うつの原因はここでは一つ、 自分に嘘をつくことなのだ。 幸せなふり、 がんばってるふり、 自分は大丈夫だと言い聞かせること・・ ひとたび うつになれば、 回復を望んではいけないとも語られる。 すべてを壊して0から作り直すしかないと。
兄を亡くしたチアリーダー役のジェニファー・ローレンスは想像以上に出番も多く効いていて、 若かりし日のフォスターに多少かぶるのは演技指導のたまものか。 しかしフォスターはあまり老けないな。 アップにも十分耐えられて、 自らのクローズアップを試写室でどのように見たのか想像しながら、 その表情の端っこに静かな自信を浮かべる彼女自身はまったくの無縁でありそうなこんな題材を取り上げるのが不思議な気もする。
持ち上げられての日本公開となるか、 さらっとスルーされるか微妙な作品と言える。 さてどうなるか、 乞うご期待。
(追記2012.11) いつの間にか公開され、 DVDになっていました^ ^ つまらない邦題になって。
それでも、 愛してる THE BEAVER (2009) 日本公開2012.6 公式サイト
監督・出演 ジョディ・フォスター 象のロケット
メル・ギブソン アントン・イェルチン ジェニファー・ローレンス
チェリー・ジョーンズ
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