ベタなラブストーリーが得意な監督のようで、 50年前のラブレターだの、 孫の恋愛事情だの、 おいおいと思いつつも観ていた。 前半はほとんどイタリア紀行のようで、 こんなところでノンビリ、 ワインでも飲んで過ごしたいなあなどと感じてみたり。 どうしよう、 これ最後まで見る? ・・というところでヴァネッサ・レッドグレーヴ登場、 その存在感で一気にスクリーンが引き締まる。 素敵なバアさんというのはいるもので、 ほんとにそんな感じ。
監督はこの作品を最後に49才の若さで他界、 ロマンチックな遺作を残したことになる。
"ロミオとジュリエット" のジュリエットに宛て、 多くの女性たちが恋の悩みを綴った手紙を壁に貼っていく。 その中にかなり古い手紙を、 セイフライド演じるソフィーが発見、 これに返事を書く。 ソフィーはライター志望で、 でも現状は認められてなくて、 でも書きたい。 フィアンセともすれ違いの日々。 そんな思いを返事に投入すると、 手紙の主クレアがイギリスからイタリアへやってくる。 50年前になくした恋を探しに。
しかしロレンツォという名のイタリア男は何人もいて、 彼女のロレンツォを探し歩く。 同伴するのはソフィーと、 クレアばあさんの孫であるチャーリー。 ロレンツォ探しの過程で、 いつしか接近するソフィーとチャーリー・・ とまあ、 これくらいベタ。
それでもロレンツォと再会するシーンは一瞬 「ひまわり」 を思い出すかのような緊張感に包まれるし、 若い二人の展開もさわやか。
ロレンツォを演じるのはフランコ・ネロで、 レッドグレーヴとはプライベートでも恋人同士であったことからのキャスティングだとしたらアザトすぎるが、 画面の中で見つめあう二人にはどこか本気が入る。 まあ、 たまにはベタベタなラブストーリーもいいか、 春だし。 。
幼い頃に母が出て行ったソフィー。 そんなソフィーの髪をとかし、 束ねるクレア。 それはまるで母のようで、 微妙に素敵なシーン。 セイフライドの髪は全編を通してすごくキレイで、 とかしてみたくなる。 娘の髪もとかしたいが、 なかなか父にはできないコミュニケーションではある^ ^
それにしてもなぜ "ジュリエットへの・・" という原題を邦題では 「ジュリエットからの・・」 と反転してあるのだろうか。
ジュリエットからの手紙 Letters To Juliet (2010) 日本公開2011.5/14~
監督 ゲイリー・ウィニック 公式サイト・予告 象のロケット
アマンダ・セイフライド クリストファー・イーガン ガエル・ガルシア・ベルナル
フランコ・ネロ ヴァネッサ・レッドグレーヴ
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