5.06.2011
判断という聖域 「サンクタム」
震災を受けての自粛・公開延期ということらしいが、 恐らくは水がらみの映像がタブーなのだろう。 で、 ほとぼりが冷めたら公開? 恐ろしい体験の記憶は簡単に消えるものではないし、 いっそ永久お蔵入りしたらどうかな。 ここには恐い現実もあるが、 それを乗り切る勇気や知恵も描かれているのだから、 堂々と公開すべきだと思うんだけどね。
ジェームズ・キャメロンと聞いて、 洞窟の奥に未知なる生物でもいるのかと思っていたが そうではなかった^ ^ 実話に基づく、 父と息子のサバイバルストーリーだった。 父は筋金入りの冒険家でダイバー、 家庭を顧みない父に反発する息子も いっぱしのクライマーとなっている。 そしてパプアニューギニアの洞窟探査プロジェクトで二人は '初共演' することに。
出だしは、 よくあるパニック映画のようにノンキでダルかったが、 嵐がやってきて退路が断たれ、 海へ続く道を探すしかなくなってからは一気に緊張感が高まる。 しかしながら全体に地味な雰囲気で、 スペクタクルいっぱいのキャメロン映画を期待すると拍子抜けするかもしれない。 洞窟の奥で旧日本軍の戦車の残骸を発見、 廃品利用できたりする。
確執のあった父と子は、 厳しい状況をともに歩むことでようやく理解し合い、 細い希望の光をたぐり寄せるが、 その間、 極限状況での父のリーダーシップに異を唱える者が現れたり、 判断ミスが招く結果などが取り上げられる。 「127時間」 などとも似ているだろうか。 あちらは水がないから公開延期とならないようだが、 どちらも実話であることを思うと身震いするような感覚を覚える。 究極の選択をしなくてはいけない状況が訪れたなら、 最優先事項は自分にもしっかりと見えるのだろうか。 トレーラーは自粛して貼らないでおく。 。
サンクタム SANCTUM (2010アメリカ・オーストラリア) 日本公開延期
製作総指揮 ジェームズ・キャメロン 公式サイト 象のロケット
監督 アリスター・グリアソン
リチャード・ロクスバーグ リース・ウェイクフィールド アリス・パーキンソン
ダン・ワイリー クリストファー・ベイカー ヨアン・グリフィズ
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