4.06.2011
それと もう一つ、 "SUCKER PUNCH"
予想外に早い日本公開はいいが、 典型的なダメ邦題。 "あ邦題" と命名させてもらうことにしょう^ ^ 収まりのいい言葉選びが あまりにも陳腐。 原題のまま "サッカーパンチ" では確かに何のことか わからない。 サッカーでパンチ? スポコン?と誤解されるかもしれない。 しかし誤解を恐れないで投げ込め。 そのほうが話題性があるというもんだ。 原題は 'まぐれ当たりのクソパンチ' とかいう意味らしいが、 そういう言葉を探してきてエッジを立てる製作者努力を帳消し、 台無しにしてしまう邦題のあり方は、 わかってないお偉いさんの、 そのくせ自信ありげなツラのようでムカムカする。
そこまで邦題批判をするということは、 中身はよかったということ? 自分でもいま気づいたが、 よかった^ ^ 実は大して期待してなくて、 またセーラー服? 剣? ぐらいにしか思ってなくて、 IMDbでも "たいくつ~" なんて声があったので覚悟して見た。 が、 これは何だろ・・ 一見どうしようもない映画に思わせて、 非常にまじめでグッとくるものが。 。 ロボトミーなんて恐いネタも出てくる。
ネタバレ寸止めでいくけど、 ようするに ある儚い女の子、 母が死んで 'まま'父に、 遺産横取りを目的に精神病院に送られる。 しかしそこではセラピーの一環としてダンスが行われていて? 彼女はその瞬間 弾けて、 素晴らしいダンスを見せるのだが、 そのダンスシーンは出て来ない。 代わりに精神的なダンスとして夢の世界へのトリップが披露される。 ダンスが始まるたびにこれが繰り返されて、 またか、 と思う反面くせになる?
夢のダンスは、 かつて見た映画のメタ集大成リミックスのようなものではあるが、 映像やアクションはその路線の最たるもので、 存分に魅せてくれる。 しかし意外なことに売りはそれだけではなく、 現実に戻っての5人の娘たちとドクター・ゴルスキー、 そして精神病院の院長 兼 裏ビジネスである秘密クラブのオーナー、 これらが織りなすドラマにやたら迫力がある。 ザック・スナイダー監督は、 このあたりも注目される理由なのだろう。
そしてラストにはシナリオの大胆な '脱構築' がある。 これが何かということはさすがに書けないが、 何だ そんなことかとも言えるし、 なるほどなあ・・とも言える。 でっち上げのくせに、 どこかリアルで物悲しく、 物悲しくも爽やかな、 この手のジャンルで見てよかったなと久々に思える作品であった。 戦場で彼女たちにをリードし "それと もう一つ" と いつも付け加える謎のワイズマンが、 いい味^ ^
キャラ名はベイビードール、 スイートピー、 ロケット、 アンバー、 ブロンディ、 ブルーと、 いかにもで しかもブロンディは黒髪だが^ ^ 夢のダンスの世界、 SFとも戦争映画ともつかない戦場で、 アンバー! ロケット! などと呼び合って敵をなぎ倒すシーンなどもけっこうシビレる^ ^ とにかく細部に至るまで趣向を凝らせながら、 脚本、 監督、 出演者らが楽しんで作っているのが伝わってくる作品。 それともう一つ、、 音楽の使われ方もキャッチーかつマニアック。 イージーな邦題を拒否して "サッカーパンチ" と呼んで話題にしようではないか!!
サッカーパンチ (aka エンジェル ウォーズ) 日本公開4/15 公式サイト・予告
SUCKER PUNCH (2011アメリカ・カナダ) 象のロケット
監督 ザック・スナイダー
脚本 ザック・スナイダー+スティーブ・シブヤ
音楽 タイラー・ベイツ+マリウス・デヴリーズ
エミリー・ブラウニング アビー・コーニッシュ ジェナ・マローン
ヴァネッサ・ハジェンズ ジェイミー・チャン カーラ・グギーノ
オスカー・アイザック スコット・グレン
(追記) 本編では気づかなかったがスチールをよく見ると、 銃のグリップには携帯ストラップ的なものが。 ラインストーンの衣装もやっぱりセーラー服だ^ ^
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