2.21.2011

この仕事を最後に足を洗う 「ザ・タウン」



遅いレポートになってしまったが 「ゴーン・ベイビー・ゴーン」 に続くアフレックの監督としての2作目。 前作はDVDスルーとなったが、 なかなか面白かった記憶がある。 今回は無事公開されたが、 まじめすぎるというか、 悪くはないが地味な印象。 しかし2時間を超える長さのわりに しっかり見せてくれたようには思う。 劇場ではもう別の映画に替わったかもしれないが、 DVDで見る候補の1本には入れてあげたい作品ではある。

全米屈指の強盗多発地区というのがあるそうだ。 ボストンのチャールズタウンがそうで、 ここで育った男、 町を抜け出したくても抜け出せず、 それでも変わりたいと願う男は、 この仕事を最後に足を洗うことを決意する。 が、 そうして向かう最後の仕事がヤバいのは世の常。

だが ここで面白いのは、 男を町に縛り付けていたもの、 それは世間でもFBIでもなく、 男や彼の仲間を利用するご老体だったこと。 隠居して花屋を装っているが裏稼業の元締めであり続け、 男たちが子供の頃からの運命を握っていたのも その者だった。 ご老体は男が少年だった頃の母の失踪の理由を語り、 足を洗うことを許さず、 男が町を出る計画をあっさり踏みにじった。 その結果・・。

世代交代の進まない日本の会社や政治を思えば、 少なからず共感のできる状況がここにはあるのではないか。 そして男はどのような方法でそれを打ち破って行く、 あるいは打ち破れないままなのか。 不気味でショッキングなポスターとは裏腹に、 重く まじめな作品と言える。


ザ・タウン The Town (2010) 2/5~ 公式サイト 象のロケット 
原作 チャック・ホーガン 「強盗こそ、 われらが宿命」 
監督・主演 ベン・アフレック 
レベッカ・ホール ジョン・ハム ジェレミー・レナー 
ブレイク・ライヴリー ピート・ポスルスウェイト 

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