1.02.2011
窓・・ 「スイートリトルライズ」
たまには俺だって、 こういう映画を見てもいいだろう^ ^ 結婚して数年もすれば誰もが、 こうした夫婦の機微を経験するに違いない。 概ね映画としてもよくできている。 DINKSなんてマーケティング用語も思い出すし、 原作にはバブリーな匂いの名残を感じるが、 ここに描かれているような、 高度成長期の日本が簡単には追いつけないと言われたヨーロッパ的洗練と成熟は、 不況と言われる日本の一方で すでに普通の感覚になったのかもしれない。
こだわりのあるインテリアに囲まれ、 毎朝 柱時計のネジを巻こうが、 サイフォンでコーヒーを入れようが、 ポーチドエッグの朝食を作ろうが今や誰もツっこまないだろう。 それでも "この家には恋が足りない" と言われると "声が足りない?" と聞き間違えるかもしれないし、 恋人のためにテディベアを探しにくる男も珍しいに違いない。 "人間って暖かいのね 忘れてた 私の目当てはあなたの体温かもしれない"・・ このあたりは やはり、 こそばゆい。 。
ガラス窓の内側の安全な空間に住み、 ときどきは窓を開けて冒険に出かける。 セーフティネットとしての夫婦と、 恋というリスクをバランスされることが大切なのよ、 そのためには嘘も方便。 そういう内容ではあるが、 多少退屈なのは、 それはどこまで行っても予定調和でしかないということ。
美人テディベア作家とIT関連のサラリーマン・・ テディベアを作っている人は一人知っているが、 へえ、 こんな風に作るのかと。 IT関連と言ってもIDカードを首からぶら下げているだけで事業内容には触れられず。 夫婦であってもそれぞれの時間は尊重し、 家では部屋に閉じこもってゲームをする夫を別室から携帯で呼び出す妻。 ときどき訪ねてくるマネージャや夫の妹に さしたる色づけもないところは、 淡々とした日々を描くための演出とも言える。
自分的になぜか印象的だったのは、 二人の女がミルクやミネラルウォーターを豪快に飲むところ。 そして犬の飼い主である一人暮らしの婆さんの存在感。 その昔 庭に生えたトリカブトで夫を殺したと語る婆さん、 浜辺に打ち上げられた心中死体の足を結ぶ紐、 二体のテディを結ぶリボン。 これらは安全な生活のなかに潜むリバーシブルな生と死を上手く表現しているように思える。
中谷美紀は義理の妹に "留璃子さん キレイ" と言われるわりに何となく老けた感じがし、 夫にアプローチする大学の後輩である池脇千鶴に、 クラクラっと傾くものがないのは玉に傷か。 。 まあ、 そもそもこの映画は男をターゲットにしてないのだろうが。
スイートリトルライズ (2010日本) 公式サイト 象のロケット
監督 矢崎仁司 原作 江國香織
中谷美紀 大森南朋 小林十市 池脇千鶴 安藤サクラ
大島優子 黒川芽以 風見章子
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