4.03.2010

絶望に国境はない 「フローズン・リバー」



サンダンス・グランプリ、 タランティーノが大絶賛したとか しないとか^ ^の注目作、 遅ればせながら見た。 コートニー・ハントは長編初監督、 不法入国問題というより女同士の友情の物語だ。 不法入国というとメキシコという気がするが、 川が凍るのだから北。 カナダ国境近くの町での話だ。

映画が始まると いきなり苦虫を噛みつぶしたような顔の女。 ギャンブルに溺れる夫が、 家から有り金を持って消えたのだった。 それでも彼女は二人の息子には優しい。 何とか事態を切り抜けようとするが、 支払いは滞る。 テレビのレンタル料 (テレビをレンタルするんだ)、 さらには注文したトレーラーハウスも このままでは流れてしまうというのに、 スーパーのパートだけではどうしようもない。

そんなときインディアン保留地の女から、 トランクに人を入れて、 凍った川を渡るという仕事を知らされる。 もちろん違法だが、 これしか手はなかった。 しかも氷が割れる危険、 ヤバイ人たちとのやりとり・・ いわば3重のリスクを受け入れたのだ。 運搬料は一人あたり600ドル。 二人を同時に運び、 クルマは自分持ち、 インディアンの女は斡旋ということになるが収入は折半。

互いに最初は、 何だこの女、 みたいな感じなのが、 インディアン女にも小さな息子がいて、 一緒に暮らしたい、 そのためには金がいるというシンプルな共感は、 やがて信頼に変わってゆく。

受け取ったカネはきっちりと数え、 OKならトランクを開けるという手順も、 がめついと言うより当然のこと。 銀行でもやっていること^ ^ そんな彼女たちの上前をはねるのは警察であったり、 依頼者であったりするが、 女たちは銃を片手に無事リスクを回避することができるか・・

サンダンスらしい渋いグランプリと言えるが、 予想された社会への怒りよりも、 必死な女たちの爽やかさが印象に残ったのが意外と言えば意外。 劇場公開後1ヶ月でオンラインでも見れるという新しい試みがあると聞いていたが、 どこでやっているのだろう。 そちらはキャッチできず。 。

余談になるが、 この映画のキャッチコピーの日本とアメリカでの違いが面白い。 日本では "光を信じて" / アメリカ Desperation knows no borders. 絶望に国境はない^ ^


フローズン・リバー Frozen River (2008) 1/30〜 公式サイト・予告 
監督 コートニー・ハント *サンダンス・グランプリ 象のロケット 
メリッサ・レオ ミスティ・アップハム チャーリー・マクダーモット 
フローズン・リバー [DVD][DVD]

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