ヤギを見つめる男たち・・ そんなタイトルに文芸調な予感を抱いていた。 シンドそうな作品ではないか。 ところがどっこい、 原作は 「実録・アメリカ超能力部隊」。 ヤギを見つめ、 超能力でその心臓を止める。 そんな部隊にいた男たちの話なのだ。
その名も "ジェダイ・プロジェクト新地球アーミー"^ ^ たとえあなたが信じなくても、 これは事実である、 との前書き。 冷戦時代、 ソ連が同様の研究を始めたことへの対抗手段だとか、 いや始めたのはアメリカのほうだったとか。 だがこの存在しないことになっている特殊部隊が志向したのは何と・・ ラブ&ピースだった^ ^ 下のジョージ・クルーニーのロン毛を見てもわかるとおり、 ベトナム戦争とヒッピーの時代であり、 いかに戦争に勝つかより、 いかに争いをなくすかという究極の戦略を模索する。
超能力部隊の指導者にジェフ・ブリッジス、 最も強力な超能力者にクルーニー、 彼を妬む策略家にケビン・スペイシー。 当時の話を取材することになってしまうジャーナリストにユアン・マクレガー。 常識人の視点で見る特殊部隊のエピソードは、 すべてがスベったギャグのようで、 ユルい間とともにドラマは進行する。 そしてイラクにふたたび新地球軍が集結するとき、 世界は変わるのだろうか。
トンデモ本の映画化でありながら蒼々たるキャスト、 ベネチア映画祭招待作品ともなったオモシロ作品なのだが、 日本公開は未だに噂も聞かず。 今年の後半あたりのズレたタイミングで、 ヘンテコな邦題、 日本人タレントを呼んでのよくわからない話題作りとともにやって来るのだろうか。 この作品に秘められた新時代へのインスピレーションがこの国に届くのは果たしていつの日か、 そしてそれは正確に届くのか。 それだけが気がかりだ。 (追記) 公開決定 8/14
ヤギと男と男と壁と The Men Who Stare at Goats
(2009アメリカ・イギリス) 日本公開2010.8/14 象のロケット
監督 グラント・ヘスロヴ 原作 ジョン・ロンソン 脚本 ピーター・ストローハン
ジョージ・クルーニー(製作兼) ユアン・マクレガー ジェフ・ブリッジス
ケビン・スペイシー ロバート・パトリック
実録・アメリカ超能力部隊 [原作] Jon Ronson 文春文庫 powered by G-Tools |
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